「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?
と思うこともあるでしょう。そういう場合、親子で話し合ったうえで、宿題を減らせないかと担任教師に相談してみてはどうでしょうか。
おそらく、いまの時代の教員ならかなり柔軟にそういう相談にも対応してくれるように思います。家庭によって教育方針はちがいますし、子どもが目指す進路もそれぞれですから、わたし自身も各家庭とやり取りをしてなるべく要望に応じられるよう心がけています。
通知表が良くなければ親が通知表をつける
さて、宿題に続いて親御さんの悩みの種となるのが通知表ではないでしょうか。その評価によってつい一喜一憂してしまいますよね。あまり評価が良くなかった場合には、親として子どもにどう接してあげればいいのかと頭を悩ませてしまうはずです。
ただ、通知表はあくまでひとりの教員による評価に過ぎず、それが絶対のものではありません。
だとしたら、親御さん自身が子どもの通知表をつけてあげればいいのではないでしょうか。「先生はこういっているけど、お母さんはあなたのこういうところはもっといいと思うよ」という具合に。
そもそも、通知表というひとつの評価にとらわれる必要はありません。もし親が通知表の結果を気にし過ぎることになれば、子どもも結果だけを気にするようになってしまいます。そうすると、子どもは「結果を出さないと怒られる」と思って、なにかしらのズルをするということだって起こり得ると思うのです。
親が通知表の結果だけにとらわれるということは、子どもに対して「結果を出さないとあなたを応援しないよ」というメッセージを送ること。そうではなくて、「結果が出なくてもあなたを愛している」というメッセージを送ってあげなければなりません。そうでないと、子どもは親の前でも等身大の自分を出せなくなりますからね。
そもそも、親自身も完璧ではありませんし、あらゆることに秀でている人間なんていません。長所も短所もある等身大の子どもを愛して、プレッシャーにならない程度に期待して応援してあげてほしいと思います。
褒めて伸ばすには実感が必要
ただ、あまりに褒め過ぎることには注意も必要です。最近は「褒めて伸ばす」ことが注目されています。「叱ることは子どもを否定することだけど、褒めることは子どもを肯定するからいいんだ、やる気を引き出すんだ」なんていわれます。
でも、褒めるも叱るも、子どもに外から刺激を与えて良い方向に導く行為という点では同じものです。