子育て情報『「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?』

2019年5月25日 07:31

「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?

それなのに、「褒めるのがいいから」と褒めてばかりいると、褒められないとなにもしない子どもになってしまうこともあるのです。褒めるということはじつはすごく難しいし、なんでもかんでも褒めればいいというものではありません。

では、褒めると叱るをどう使いわければいいのでしょうか?その基準は、「実感に従う」ことで見えてきます。たとえば、漢字の書き取りをするにも、子どもと一緒にやってみてください。パソコンやスマホで文章を作成することで、手書きをすることが減っている大人の場合、いくつも漢字を書くうちに手が痛くなってくることもあるでしょう。そうすると、「お母さん、もう手が痛くなってきちゃった」「あなた、すごいね」なんて褒め言葉が自然に出てくるはずです。そういう「実感」が伴っている、つまり「心からの言葉」は子どもにきちんと響きます。

叱る場合も同様です。
もし子どもが、倫理的、人間的に良くないという問題を起こしてしまったら、親は「反省してほしい」と心から思って叱るものです。だけど、叱る理由が「世間体が悪いから」といったものなら、やはり子どもには響きません。

「褒めるのがいい」なんて言葉を鵜呑みにして小手先のテクニックのようにただ褒めるのではなく、親御さん自身の実感や心を持って、子どもに接してください。

「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?


『たし算ひき算 10マス計算ドリル 左利き用』
杉渕鐵良 著/学研プラス(2019)
「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?


■ 東京都公立小学校教諭・杉渕鐵良先生 インタビュー一覧
第1回:先取り学習はこうやれば効果的。「就学前学習ってどうなの?」に“教育の鉄人”が回答!
第2回:「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?
第3回:子どもを「読書好き」にするきっかけの作り方。国語力アップの決め手は家庭にある!(※近日公開)
第4回:算数の力は“楽しく”伸ばす!地味で単純な「四則計算」を笑うほど面白いものにする工夫(※近日公開)

【プロフィール】
杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)
1959年生まれ、東京都出身。東京都公立小学校教諭。小学校教諭となって7年目に子どもたちのやる気を引き出す独自の授業「ユニット授業」を開発。その成果により、「教育の鉄人」と呼ばれ、2011年には「ユニット授業研究会」を設立。若手教員の指導にあたる他、講演のために全国各地を飛び回っている。
『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭学習』(すばる舎)

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