「宿題の定番」になるのも頷ける。意外だけどすごく重要な「音読」の4つの狙い
子どもが受けている国語の授業の内容は把握していても、その「狙い」まで理解しているという親御さんは少ないはずです。現在、国語の授業はどんな狙いを持っておこなわれているのか――。全国国語授業研究会会長や教育出版国語教科書編著者も務める筑波大学附属小学校の青木伸生先生に、その狙い、家庭教育にも取り入れることができる勉強法を教えてもらいました。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)
小学校低学年、中学年における国語授業の狙い
小学校の国語の授業は、学年ごとにそれぞれ「狙い」が決まっています。現在の学習指導要領でいうと低学年、中学年、高学年でわかれていて、低学年の狙いは「順序」というものです。
国語の勉強をはじめたばかりの低学年の場合、まずは物語や説明文の順序をとらえて読むということが出発点になります。物語なら、話のなかにどんな人が出てきたのか、そしてその人たちはどんな順番で出てきたのかといったことをとらえることが、文章の理解には欠かせません。
また、説明文なら、どんな話がどういう順番で書かれているのか、「はじめに」「次に」「終わりに」といった説明のプロセス、組み立てを意識できる必要がある。文章のなかに出てくる言葉の順番やつながりを見つけることが、文章を理解するためのはじめの一歩なのです。
そして、中学年になると、その狙いは「中心点」というものに変わります。これは、段落のなかの要点や、文章全体で筆者がいちばんいいたいことはどこに書かれているのか、物語なら山場の場面はどこかというような、大事なところを見つけようというものです。
「音読」が子どもにもたらすさまざまな効果
小学校の国語の授業というと、「音読」を思い浮かべる人も多いでしょう。大人になって音読することはほとんどないと思いますが、小学校では定番、必須の内容ですよね。もちろん、音読にも重要な狙いがあります。これは、とくに低学年の子どもたちにとって大切なものです。
その狙いのひとつは子どもたちの「体づくり」。ちょっと意外に思うかもしれませんね。音読では、しっかり両足を床につけておなかから声を出すように指導します。そうすることで、まだ体が小さい低学年の子どもの体幹をつくるということを意識しているのです。
また、聞き手を意識させて読ませることで、「声の大きさの調整」をできるようにさせることも重要な狙いです。