作文力アップも期待できる! 文章の読み方の新習慣「フレームリーディング」とは
すると、別の文章を読むときにも、子どもたちは「話のまとまりはどうなっているのだろう」とか「どこが同じなのだろう」といった目のつけどころを持つようになります。そういった習慣こそが、文章を読むこと、しっかり理解することの楽しさにつながっていくのです。
誰もが苦手な読書感想文も楽々進められる!?
じつはこの手法は、2020年から小学校で実施される新学習指導要領で推奨される文章の読み方とほぼ一致しています。新学習指導要領では、「構造と内容の把握」というものが最初にあり、次に「精査・解釈」という詳細な読解がある。そして、それらをいったりきたりと繰り返すことで「考えの形成」ができるとしています。表現はちょっと難しくなっていますが、これは最初に説明したフレームリーディングの手法そのものですよね。
このフレームリーディングが身につくと、文章を読むこと以外にも、さまざまな場面でその力を生かすことができます。まずは「思考」する――考えるときです。最初に全体をとらえたり俯瞰したりすることは、ものごとの本質をとらえるための思考パターンとしてとっても大事ですよね。
思考の対象となるものごとの全体を見渡してなにが起きているのか、なにが問題なのかをとらえられなければ、思考することはできません。それができたら、今度は大事なポイントをとらえて切り口を見つける。それらを繰り返すことで、自分なりの結論やアイデアをまとめられるようになるわけです。
さらに、フレームリーディングは「アウトプット」にも生かせるものです。国語の授業におけるアウトプットというと「作文」ですね。
文章全体の構造を理解できるようになれば、物語や説明文の展開のパターンというものが見えてきます。たとえば、文章のはじめに結論が出てくる頭括型、最後に結論がある尾括型、どちらにも結論がある双括型などです。
もちろん、低学年のうちから頭括型といった言葉は使いません。わたしの授業では、それぞれ頭型、お尻型、サンドイッチ型と教えています。これらのパターンを文章のスタイルとしてしっかり認識していれば、「今日の校長先生のお話を頭型で書いてみよう」という課題を出しても、子どもたちはスムーズに文章を書けるというわけです。
フレームリーディングの基本は「数える」と「選ぶ」にある
フレームリーディングについて学んだことがあるという人はあまりいないでしょうから、「家庭では生かせそうにないな」