子育て情報『「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」! 親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由』

「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」! 親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由

その広がりは自分自身にも向かいます。自分をモニターして客観視し、「僕はこういう良くないところがあるから、直していかなきゃ」といったふうに、自己コントロールしようともしはじめるのです。

そのような自分の内面に向かう視点の獲得によって、作文にも大きな変化が表れます。たとえば明日に運動会を控えているという状況なら、「明日は運動会だけどワクワクするような気持ちだけじゃなくて、不安な気持ちや絶対に負けたくないという気持ちもある。気持ちってひとつだけじゃないんだな」といったことも書けるようになる。これは、しっかり自分の内面をとらえられるようになったということであり、成長の証ですよね。

そう考えると、「10歳の壁」を「学習面で行き詰まること」とネガティブなとらえ方をするのはもったいない気がします。子どもは10歳前後でさまざまな面で大きな成長を遂げます。
内面が変化する分、行動が停滞したように見えますが、じつは内面が深化しているのです。すなわち、「10歳の壁」ではなく「10歳の飛躍」ととらえれば、親としてもすごく面白い時期に感じられるのではないでしょうか。

「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」! 親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由


着実に大人へと成長する子どもの姿を楽しむ

もちろん、それだけ大きな変化、成長の渦中にいる子どもたちは強いストレスも感じているはずです。当然、親はしっかり子どもを見守って、ときには導いてあげる必要があります。

ですが、あまり難しく考える必要はありません。親になったからといって、その瞬間にどこかから親に必要なスキルが降って湧いてくるものではないのですから、子どもと一緒に親も成長していけばいいのです。大切なのは、しっかり子どもを見て、ともに悩み、そして人生の先輩として「こうして教えてあげればいいかな」と親自身が思える方法で導くこと。少しずつ親としての自信をつけていきましょう。


そして、子育てをもっと楽しむ姿勢を持ってほしいと思います。たしかに、10歳頃から子どもは難しい時期に入っていきます。でも、裏を返せば子どもが急激に大人に向かって成長している時期でもある。子どもが抱える悩みも大人と同じようなものになってきて、子どもの友だち関係や勉強での悩みを親の人付き合いや仕事の悩みに置き換えて考えることができるようになる。そうすると、悩みの解決方法を親子で一緒に考えたり、あるいは子どもに「なるほど!」と思わされたりするなど、子どもと接する面白味が一気に増してくるのです。

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