子育て情報『「プレゼン能力」「独創性」が通知表で評価されるオランダ。自己肯定感が高まる教育プロセスとは?』

「プレゼン能力」「独創性」が通知表で評価されるオランダ。自己肯定感が高まる教育プロセスとは?

その質問とは、「ここまでやってみてどう思った?」「どんなことに気がついた?」といった、子どもの内に秘められている言葉を引き出すものばかりだったそうです。そして授業の最後には、必ずこの学びの体験を次に活かす質問を投げかけます。先生から「次やるときは、どうしたらもっとよくなると思う?」などの問いを受けることによって、子どもたちは今回の体験を振り返り、次に活かすための気づきが生まれるのです。

やってみて振り返り、またやってみて振り返る。オランダの教育現場ではこの過程が大事にされており、それはまさにコーチングのプロセスと手法だと石川先生は述べます。このプロセスを繰り返し、実践したことがうまくいくと、自己肯定感はより高まるそう。

まずは大人が答えを持たずに、子どもの考えを受け止めることが大切です。そして、次に進むためにはどうしたらいいか、この学びからどんな気づきが得られたか、など子どもなりの考えを引き出すように導く「質問力」が必要なのですね。


オランダは「先生こそが社会のことを一番知らない」という前提で教育プログラムが作られているそうです。極端な言い方になりますが、それは「社会に出たことがないから」。しかし、私たちが生活している「社会」は、日々ものすごいスピードで変わっていっているという現実があります。だからこそ先生は「教える人」「指導する人」ではなく、子ども一人ひとりの適性を見抜き、適した道に進めるようにアシストしてあげる「コーチ」に徹しているのです。

「プレゼン能力」「独創性」が通知表で評価されるオランダ。自己肯定感が高まる教育プロセスとは?


点数で評価しない。通知表は子ども自身の成長の記録

博報堂のクリエイティブディレクターを経て、家族の教育環境のためにオランダに移住した吉田和充さんは、小学校に通うお子さんが持ち帰ってきた通知表に非常に驚かされたそう。それは、日本の学校で渡される通知表とはまったく違うものでした。

日本との大きな違いは、分厚いバインダーに挟まれた書類のような形式で渡されることです。
このバインダーは入学時からずっと同じものを使い続けていて、4歳の最年少学年では絵や工作がファイルされているだけのこともあるそうです。学年が上がるにつれて、全国統一試験の結果なども加わってきます。

内容としては、まず担任の先生の総評から入ります。A4サイズ1ページ分にもわたり、生徒のことをかなり詳細に記しているそう。次に生徒自身のコメントです。仲の良い友だちや好きな活動や遊び、授業について自分の言葉で書かれています。

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