子育て情報『親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選』

親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選

目次

・子どもの7つの力を育てる「対話型鑑賞」を、家庭で実践してみよう
・素材選びのポイント:子どもの能力に限界を設けない
・【作品例1】複雑な作品
・【作品例2】謎めいた作品
・【作品例3】抽象的な作品例
・親子の対話型鑑賞を成功に導く魔法の言葉 & NGワード
・画像入手方法1. 美術館の無料オンラインサービス
・画像入手方法2. アート雑誌
・画像入手方法3. ムック本
・画像入手方法4. 画集
・画像入手方法5. 美術館のポストカードや図録
親子で絵を語ろう!おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選

私「これは太陽?」

A君「お日さまだよ」

私「あぁ、お日さまなんだ、なんでお日さまなの?」

A君「目や口があるからだよ」

私「なるほど、目や口があるからお日さまなんだね」

A君「そうだよ、でも太陽って呼んでもいいよ」

親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選


これは先日、未就学児のA君が描いた絵についての、A君と私との対話です。短い中に、子どもとの対話のヒントが得られると思います。

ここで私はA君の言葉を訂正せずに復唱し、「お日さま」と名づけた根拠を尋ねました。それによってA君が「太陽」を擬人化することで呼び方を変えているのだと知り、同時にA君も私の「太陽」という名づけ方を受容してくれました。

こうした短い対話の中でも、作品を媒介に子どもの発言の論理的な思考の芽生えを理解し、刺激しながら、お互いを受容し、理解し合うという信頼関係が結ばれていきます。

印象深かったのは、私たち2人の対話をA君のお兄さん(小学1年生)が優しく見守っていたことです。お互いを認め合うコミュニケーションの場の空気感は、周囲にも伝播してゆくものなのですね。

親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選


子どもの7つの力を育てる「対話型鑑賞」を、家庭で実践してみよう

前回記事『人間の知の基本フレームは、小学生のときに形成される!?新たな美術鑑賞法「対話型鑑賞」が育む7つの力』では、アメリカ発の新しい美術鑑賞教育法「対話型鑑賞」によって、子どもの7つの力が育つのだとお話ししました。


では、7つの力である「観察力」「推論する力」「他者を受容して理解する力」「再考する力」「表現力」「自ら学ぶ力」「コミュニケーション能力」を育てるには、具体的に何をすればいいのでしょう?

近年、「対話型鑑賞」ワークショップを実施する美術館もなかにはありますが、地理的・時間的な問題から、誰もが参加できるものではありませんね。しかし、心配はいりません。

対話型鑑賞は、家庭で、親御さんと一緒に取り組むこともできるのです。今回から、親子が対話しながら芸術鑑賞をするうえでの実際の進め方や、子どもへの声かけのコツについてお話ししていきましょう。
親子で絵を語ろう! おうちで楽しめる「対話型鑑賞」のやり方とアート素材の入手方法5選


素材選びのポイント:子どもの能力に限界を設けない

対話型鑑賞を始めるにはまず、素材が必要です。では、子どもと作品を鑑賞するにあたって、どのような素材を選んだら良いのでしょうか?素材を選ぶうえで、親御さんに必ず覚えておいていただきたい、大切なことがあります。

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