「夏休みの自由研究」は動物園で。上野動物園おすすめの“調べ学習”のテーマとポイント
ちなみに、ツキノワグマにミカンやドングリをあげると、きれいに中身だけ食べて皮は残します。クマの口や舌先が器用だということがわかりますね。
ツキノワグマ(公財)東京動物園協会提供
動物園だからこそできる調べ学習のテーマを考えよう
調べ学習のおすすめのテーマとして、動物の体の部分の細かな特徴を見比べるというものがあります。観察をして、なぜその違いがあるかを考えてみるとおもしろいと思います。
たとえば、目は動物によってついている場所が違います。草食の動物の目がついている場所は、頭の横のほう。そうすると視界が広くなるので、肉食の動物が自分を襲おうとして近づいてくるのが、真後ろ以外なら察知できるのです。逆に、肉食の動物の目は前の方についています。
正面を左右の目でしっかりと見られるため、獲物との距離を正確に測ることができます。肉食ではありませんが、サルも目は前の方についていますね。これは枝から枝へジャンプするときの距離を知るためです。人間もサルの仲間なので、目は前についていますね。
蹄があるか、指が何本あるかなど、足の形もさまざまです。馬は1本指、ウシやキリン、シカは2本指(さらに小さな2本の指をもつことも)、バクの後ろ足やサイは3本指です。鳥の場合は、前に向いている3本の指のほかに、後ろに向かって親指が1本ついているものがあります。これは、木に止まるための支えです。
こういった小さな部分を観察するには、双眼鏡を持っていくと便利ですよ。
日本古来の在来牛の見島牛。ウシの足は2本指。キリンやシカもウシの仲間で2本指です。いろんな動物の足の形を見比べてみよう
上野動物園で会える動物たち
上野動物園の園内では、「アイアイのすむ森」や「アフリカの動物」のように場所や種類により分類して展示しています。とても広いので、1日で全部見ようとせず、1つの部分だけをじっくり見るのがおすすめです。たとえば「クマたちの丘」では、エゾヒグマ、ツキノワグマ、マレーグマ、ホッキョクグマを比べて見ることができます。同じクマの仲間でも、大きさも毛の色も姿もそれぞれ違うもの。
今いるエゾヒグマは、北海道で保護されたクマです。上野動物園に来たときは子どもだったので、リードをつけて園内を散歩していましたが、今では体重が300kg以上に成長しました。
クマ舎の壁の色が黒くなっているのは、背中をこすり付けてマーキングをしているからです。