子育て情報『「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの』

「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの

一方で、全然子どもの気に入らない本があるのも当然のことです。つまらない本を知らないと「この本はおもしろいんだな」ということがわかりません。子どもには膨大な時間がありますから、乱読することで感覚やものを見る目を養わせましょう。

「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの


小さなお子さんを持つ親から「うちの子は同じ本ばかり破れるまで何度も読みます」という相談を受けることがありますが、それはとても良いことです。大人だって自分が好きで買った音楽のCDは何度も繰り返して聴くでしょう。好きな曲が終わると、わざわざ戻して好きな曲だけもう1回聴いたりするじゃないですか。曲が楽しいと思うのは、何回も聴いて覚え、歌えるようになってから、だと思いませんか?次にこのメロディが来る、この歌詞が来ると知っていて「来る来る来る、来た~!」というのが楽しいし、何度も聞くうちに最初は気がつかなかった細部まで理解が深まります。

これは本でも同じこと。
子どもたちは誰に教えられなくても、本能的に本の読み方を知っているのだと思います。繰り返し読むことで本を深く読み込むことができ、喜びも深くなることを知っているのです。ですから、そんなふうに何度も読みたい本が見つかったらラッキーですね。もちろんお気に入りができなくても心配はご無用。それは、子どもそれぞれの個性です。

「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの


低学年で脳をじゅうぶんに耕す

これまでお話ししてきたように、子どもに読み聞かせをするときには、子どもの喜ぶ本を選んであげてほしいと思います。逆にいえば、読み手である親が「必要な本」「良い本」と感じる本は選ばないようにすることです。なぜなら、子どもに本を読んであげる一番大きな目的は「子どもを幸福にすること」、そしてもうひとつの目的は「子どもに本を好きになってもらうこと」だから。
楽しくないけど必要な本を読むのは、もっと大きくなって本を好きになってからでもじゅうぶん間に合いますよね?

そして、子どもには気がつかない大人の本のなかにも、子どもが喜ぶ本が案外あるものです。たとえばクジラが大好きなら、大人用のクジラの写真集を喜んでくれるでしょう。子どもに本を選ぶときには、「この本を読んでもらいたい」ではなく「これを見せたらあの子がどんなに喜ぶかしら」を基準にしてください。
「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの


小さな頃は、偏った本の選び方をする子もいます。物語を読むのが嫌いな子どもを持った親御さんから、「うちの子は本を読むのが苦手で……」

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