デンマークの小学校には試験も通知表も存在しない!? 知れば驚く “世界の通知表事情”
国が変われば教育制度も変わり、通知表も異なります。結果よりも努力を評価したり、人間力を重視したり、積極性を称えたり、そもそも評価しなかったり……!?
そこで今回は、いろんな国の「通知表」にフォーカスして、各国の評価基準やユニークな点を紹介します。まずは、日本の通知表事情から。
進化する日本の通知表
教育研究家で、家庭教師歴が40年を超える西村則康さんによれば、現在(2019年時点)の日本の小学校の通知表には、次の傾向があるそうです。
- 1年生の1学期は差をつけない
- 1年生の2学期から「よくできる・できる・もう少し」の3段階に
- 段階評価はせず、児童のいい部分を書きこむ場合もある
西村さんいわく、以前は「テストの点数が成績に直結」していましたが、今では児童の行動を先生が観察したうえで、評価をつけるかたちに変わってきているとのこと。
また、熊本県熊本市立白川小学校教諭の大久保弘子さんによれば、日本の小学校1年生の通知表の狙いや評価法は次のようなものです。
【通知表の目的】
目標をどれだけ達成できたか知ってもらう(今後の成長へとつなげる)こと。
【評価の方法】
多面的に評価(発言・行動・意欲・ノート・思い・工夫・表現・テスト・家庭学習への取り組みなど)。
他者との比較ではなく、ひとりひとりの達成状況を評価(※)。
そして大久保さんは、保護者が通知表を見る際は、「子どもができるようになったことや頑張ったことは褒め、改善点は励ます材料にするとよい」といいます。
(※)文部科学省の資料によると、2000年以降は児童生徒の評価が「集団に準拠した評価(相対評価・集団のなかでどう位置づけられるか)」から、「目標に準拠した評価(絶対評価・設定された目標を達成できたかどうか)」に改められている。
日本も、昔の1~5段階評価からだいぶ様子が変わりましたが、世界にはまだまだ驚くような通知表があります。
ニュージーランドの通知表:努力を評価
オンライン英会話レッスンを手がける「ほうかごEnglish」代表で、ニュージーランド・オークランド在住の奥村優子さんによれば、ニュージーランドの小学校1年生の科目は、「Reading(読む)」「Writing(書く)」「Maths(算数)」の3つだけ。通知表には、各科目ごとに、次の3段階で評価が記されています。