かわいい子には“いたずら”をさせよ!? 「自由に遊んでいいよ」で子どもは学ぶ
近年、注目度がどんどん増している「非認知能力」。そのため、ともすれば「子どもの非認知能力さえ伸ばしてあげればいい」という考えを持ってしまうこともあるでしょう。しかしそうではなく、「非認知能力と認知能力の両方が大切」だというのは、幼稚園教諭の経験もあり、著書『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)で注目を集める玉川大学教育学部教授の大豆生田啓友先生。そして、「子どもの非認知能力を伸ばしてあげることが、認知能力を伸ばすことにもなる」とも語ります。
構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)
「自然物」とは、子どもにとって最高のおもちゃ
子どもたちは、自分の興味関心に従い遊ぶなかでたくさんの非認知能力を獲得していきます。ですから、子どもの非認知能力を伸ばしてあげるためには、子どもの興味関心を大事にしてあげることがもっとも重要です(インタビュー第1回参照)。
しかも、幼い子どものすごいところは、自分の世界をどんどん広げる力を持っていることでしょう。なにか特別なものを与えなくても、身のまわりにあるものを使ってどんどん遊んでいくことができる。
身のまわりのもののなかでも、子どもにとっての最高のおもちゃは「自然物」です。自然物は、人の想像力や創造力を膨らませてくれる力を持っています。周囲にあるテクノロジーの産物も、もともとは自然物がモデルということが少なくありません。飛行機だって虫や鳥などの動物にヒントを得て生まれたものでしょう?それだけ、自然物は人の想像力や創造力、興味関心をかき立ててくれるものなのです。
そういった背景から、ひとつアドバイスを送りたいと思います。子どもと外に出かけるときには、ぜひ、ビニール袋を持参してみてはいかがでしょう。なぜなら、人の興味関心をかき立てる自然物は当然ながら子どもの心も強くとらえるものであり、子どもはいろいろな自然物を集めたがるからです。
秋や冬なら落ち葉を拾いはじめるでしょうし、桜の季節なら桜の花びら、虫が元気な季節なら虫を集めるかもしれない。
また、時期によっては花びらを使って色水をつくるなんて遊びもできます。ビニール袋がひとつあるだけで、子どもはずっと夢中になって遊ぶことができるのです。大人からすれば、落ち葉はゴミになるし、「虫が苦手……」いう人もいるでしょう。