イヤイヤ期に「悩まない、苦しまない」。子育ては“ほどほど”がちょうどいい
というふうにものをねだるといったことです。
抱っこの場合、「抱っこをしすぎると抱き癖がつくからよくない」ということもいわれます。でも、いまの考えでは、それは誤りです。その子は、たとえば両親が下の弟や妹ばかりをかまって、「自分のほうを向いてくれない」といったことを感じているのかもしれませんよね?その気持ちを子どもなりに「抱っこ、抱っこ」と表現しているわけですから、しっかり受け止めてあげたほうがいいのです。
子どもが必要としている場合、親の無理のない範囲で受け止めてあげることが大切です。そうやって親に気持ちを受け止めてもらえた子どもは、結果として、いずれ自分自身の道をしっかり歩みだすということになるはずです。なぜなら、自分の欲求が承認され、次第に自分の気持ちをコントロールできるようになるほか、安心感や自信を得ることができるからです。
一方、「あれ買って、これ買って」とものをねだるケースの場合は、少し話がちがってきます。
それはもう、親の考え方次第というところでしょう。「これは大人でも面白そうだな」「子どもの学びにもつながりそうだ」など、そこにある事象を考え、買い与えるべきだと親が感じるなら買い与えるというのも、親の考え方次第です。
買い与えるものとそうではないものの線引きは必要ですし、そのルールは子どもにもちゃんとわかるように説明してあげるべきです。もちろん、望めばなんでも買い与える必要はありません。子どもにとっては、いつも自分の思うとおりにいかないことを経験し、我慢することも必要な経験です。いずれにせよ、「どんな子育てをするか」というビジョンを親がしっかり持っていることが大切です。それが、ものを買い与える場面だけでなく、あらゆる子育ての場面で生きていくるからです。
親が子どもを思う気持ちは必ず子どもに通じる
わたし自身、幼児教育を専門としているため、「どうすれば子どもの『イヤイヤ』をうまく収められますか」といった質問をよくされます。
でも残念ながら、そう簡単に収める方法は存在しません。しかし、親が一生懸命に考えていろいろな方法を試すことは大切。たとえば、子どもの「イヤイヤ」がはじまったら、しっかり抱っこしてその気持ちを受け止めてあげる。あるいは、静かな落ち着いた場所に移動するといったこともひとつの方法です。
そうはいっても、「イヤイヤ」は簡単には収まりませんよね?でも、大事なことはそのように子どもの気持ちに寄り添ったという、その事実なのです。