「すごい」「えらい」より効果的! 褒めず・怒らずに子どもを自立させるアドラー式子育てとは
これまで勇気づけをしてこなかった方は、これから少しずつでも勇気づけを心がけてみましょう。
では、これまで褒めたり怒ったりしていたシーンで、どうすれば勇気づけに変換できるでしょうか。具体的な例をいくつかご紹介します。
褒める→勇気づける
褒める行為は、基本的に上から目線です。当たり前ですが、上司などの目上の立場の人を「褒める」ことはまずないですよね。前出の熊野氏によると、褒める行為は、相手との間のタテの上下関係を前提に、立場が上の人が下の人を評価する行為だそう。
これまで褒めていたシーンで勇気づけるときは、子どもの気持ちにいっそう寄り添って、自分の気持ちを伝えることがポイントです。
●子どもが部屋を掃除してくれたとき
「掃除してえらいね!○○ちゃんはきれいにするのが上手だね!」と褒める
↓
「きれいになって気持ちいいね!ありがとう!」と勇気づける
●子どもがテストで100点をとったとき
「すごい!さすが○○ちゃん!」と褒める
↓
「○○ちゃん嬉しそうだね。
お母さんも嬉しいわ」と勇気づける
怒る→勇気づける
これまで怒っていたシーンの多くは、子どもに「してほしいこと」があるときでしょう。
前出の平本氏いわく、子どもを叱って行動させるのは、親が子どもを支配している状態にある「タテの関係」。子どもに行動を促したいときは、命令口調で伝えるのではなく、自分の気持ちを伝えてお願いしたり、どうすればできるようになるか子ども自身に考えさせたりすることがポイントです。
●子どもが洗濯物をかごに入れないとき
「ちゃんと洗濯物をかごに入れなさいよ!」と怒鳴る
↓
「○○ちゃんの洋服が洗えなくて困っているの。脱いだものをかごに入れてくれると助かるんだけど」と気持ちを伝え、お願いして勇気づける
●子どもが門限を守らない
「○時までに帰ってきてって言ったじゃない!なんで守れないの?」と怒鳴る
↓
「遅くなると、お母さん心配なの。どうすれば時間を守れるようになると思う?」と気持ちを伝え、子ども自身に考えさせて勇気づける
このように、コツさえつかめば、あらゆる場面で勇気づけが行なえるのです。
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アドラー式子育てで重要と言われていることのひとつに、「完璧を目指さないこと」があります。「失敗してしまう自分自身にも、勇気づけを行なえるようになろう」という考え方です。