子育て情報『“他人との比較”で得た幸せは長続きしない。「幸福学」で分かった、親子で幸せになる方法』

“他人との比較”で得た幸せは長続きしない。「幸福学」で分かった、親子で幸せになる方法

目次

・他人と比較できるもので得られる幸せは長続きしない
・長続きする幸せを得るために必要な「幸せの4つの因子」
・子どもに感謝し、子どものありのままを認める
・失敗した子どもに「グッジョブ!」と声をかけるアメリカ人
“他人との比較”で得た幸せは長続きしない。「幸福学」で分かった、親子で幸せになる方法

幸せになりたい――。人間の究極の願いかもしれません。それこそ子を持つ親なら、我が子には絶対に幸せな人生を送ってほしいと願うでしょう。そこで、「幸福学」の第一人者である慶應義塾大学大学院教授・前野隆司先生に、親子そろって幸せになる方法を教えてもらいました。まずは、そもそも幸福学とはどんな学問なのかというお話からはじめてもらいます。

構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)

他人と比較できるもので得られる幸せは長続きしない

わたしの専門のひとつである「幸福学」を、まだ知らない方もおられるかもしれません。幸福学が世界的に広まりはじめたのは1980年代になってからです。
ただ、「人はいかにすれば幸せになれるのか?」ということについては、2500年くらい前から哲学者や宗教学者が研究をしてきました。そこに科学の視点が入り、さまざまな説にエビデンスがもたらされ、幸福学という学問として確立されたのが1980年代以降ということなのです。

心理学・統計学ベースの幸福学は、哲学でも宗教学でもありませんから、「人の幸せはなにか?」という根本的な問いを扱うものではありません。幸福学の研究では、その問いはさておき、研究対象の人たちにはそれぞれの主観で自分が幸せかどうかを問います。そして、「幸せだ」と答えた人たちにはどういう共通項があるのかを研究し、「人はいかにすれば幸せになれるのか?」という問いに答えを導くのです。

また、そういった基礎研究に加えて、応用分野もある。たとえば、基礎研究によってわかった人が幸せになる仕組みを、企業経営やそれこそ子育てなどに応用し、幸せになる方法を広めることも幸福学の範疇に含まれます。

さて、その幸福学の研究が進んだことで、ひとつの大きな事実が見えてきました。
その事実とは、「お金やモノ、地位など他人と比較できるもので得られる幸せは長続きしない」ということです。たとえば、ある人が昇進して給料が上がったとします。もちろん、その瞬間はうれしいし、幸せを感じるでしょう。でも、もっと給料をもらっている人は世界にはいくらでもいる。上を目指せばきりがありません。そのことに気づき、せっかく給料が上がって得た幸せも、結局は長続きしないのです。
前野隆司先生インタビュー_親子で幸せになる方法02


長続きする幸せを得るために必要な「幸せの4つの因子」

では、長続きする幸せを得るにはどうすればいいのでしょうか?それは、「心と体をいい状態にすることで幸せになる」

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