「褒められ依存症」になってない? ズルをする・本番に弱くなる子どもたち
みなさんは、お子さんを褒めることが多いですか?それとも叱る回数のほうが多いですか?「子どもの自己肯定感を高めるためにも褒めてあげなきゃ」とプレッシャーを感じている親御さんも多いのではないでしょうか。
「子どもは褒めて伸ばすべき」という考えにとらわれすぎて、ちょっとしたことで過剰に褒めるなど、間違った褒め方をしている親御さんが増えているいま、子どもが「褒められ依存症」になっているケースも少なくありません。今回は「褒めることのデメリット」について、詳しく解説していきます。
その褒め言葉、本当に必要?
近ごろでは、「褒めて伸ばす」子育てが主流になってきています。育児書やメディアなどでは、子どもを褒めることのメリットが盛んに取り沙汰され、効果的な褒め方を指南する専門書もたくさん目にするようになりました。
たしかに、叱られるよりは褒められたほうが自己肯定感も上がり、毎日を前向きに過ごせそうです。特に子どもは素直で単純なので、親が上手に褒めてあげることで、本人のやる気を引き出したり、持っている能力を伸ばしてあげたりできるでしょう。
しかし、心理学者の榎本博明先生は「なんでも褒めればいいと勘違いしている親が増えている」と指摘します。
褒めることで自信がつき、期待に応えようと頑張るようになるというメリットがある一方で、「打たれ弱くなる」「褒めないと機嫌を悪くする」「注意や叱責を素直に受け入れられない」「見返りがないとやる気になれない」などといった弊害をもたらすかもしれないのです。
榎本先生は、「褒めることと叱ることのバランスを考えることが大切」と説きます。褒めてばかりいても、子どもにとっては悪影響を及ぼすことも。次に詳しく見ていきましょう。
「褒められないとモチベーションが上がらない」人間になる!?
「子どもを褒めることによる弊害」には、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。タイプ別に解説していきます。
■“褒められること”が目的化する
医師・臨床心理士の田中茂樹先生によると、褒められてばかりいると「親に褒められること」を優先的にやろうとするそう。しかも、繊細で大人の顔色をうかがうタイプの子ほど、その傾向が強いといいます。
この問題点は、「自分が本当にしたいこと」と「親に褒められるからすること」の境界が曖昧になること。
つまり、子どもは「自分で選んだ」と思い込んでいても、根底には「親が喜ぶから」