困難に立ち向かえる自信のある子の育て方。何より大切なのは親子間の「アタッチメント」
そういった子離れできない親の特徴として、子どもを「自分の所有物」のように思っていることが挙げられます。自分の「もの」だから、必要以上にかわいがって甘やかすのです。また、逆の方向として、虐待についても親が子どもを自分の所有物だと思っていることがひとつの原因です。自分の「もの」だから殴ってもいいというような思考を持っているのでしょう。
そうではなくて、「子どもは自分とはまったく別の人格を持ったひとりの人間」という認識を持たなければなりません。そういう認識を持っていれば、最初はひとりではできなかったことを子どもができるようになってくれば、そのあとは子ども自身に任せられるようになる。そうして、きちんと子離れができるのです。
『自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学』
森口佑介 著/講談社(2019)
『非認知能力を育むリーフレット』
(大阪府教育委員会)森口佑介先生作成協力
■ 京都大学大学院准教授・森口佑介先生 インタビュー記事一覧
第1回:エビデンス多数あり。「目標を達成する力」のある子どもは幸せになる!
第2回:困難に立ち向かえる自信のある子の育て方。何より大切なのは親子間の「アタッチメント」
第3回:“真の我慢”によって「子どもの自主性」を伸ばす。これぞ子育ての最終目標!(※近日公開)
【プロフィール】
森口佑介(もりぐち・ゆうすけ)
1979年生まれ、福岡県出身。京都大学大学院文学研究科准教授。科学技術振興機構さきがけ研究員を兼任する。京都大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。
専門は発達心理学、発達認知神経科学。人文学に着想を得た問題を科学的に検討している。主な著書に『自己制御の発達と支援』(金子書房)、『おさなごころを科学する 進化する幼児観』(新曜社)、『わたしを律するわたし 子どもの抑制機能の発達』(京都大学学術出版会)がある。【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
あなたの子どもの『考える芽』を育てる3つの方法。教室での10年で気づいた大切なこと