学校や園に「行きたくない……」と言われたら? “充電日”として休ませてもOK
できれば、夏休みが終わる数日前から徐々に生活のリズムを戻し、スムーズに登校できるように準備しておくといいでしょう。
「学校に行きたくない!」そのとき親はどうすべき?
最後に、わが子に「学校(園)に行きたくない」と言われたとき、親はどのような対応すべきか、いくつか紹介していきます。
■幼稚園・保育園に通う子どもへの対応
佐藤めぐみさんは、登園児に子どもが泣かないようにするには、「アタッチメント」の形成が必要不可欠だと述べています。アタッチメントとは、「子どもが特定の人に示す愛着感情」「特定の人との精神的な絆」を意味し、子育てのすべてを支える土台となります。
子どもが甘えたがっていたら、その気持ちをしっかりと受け止める、抱っこしたり、手をつないだり、膝の上に乗せて絵本を読んであげたりと、普段から子どもの甘え行動にきちんと向き合ってあげましょう。アタッチメントによってエネルギーをチャージできた子どもは、幼稚園や保育園で不安を感じることなく過ごせるはずです。
法政大学人文科学研究科の渡辺弥生先生は、「ぐずぐずする子は嫌い」などと、愛情のかけひきのようなことをするのは逆効果になると指摘します。子どもはお母さんに嫌われたくないので、一瞬従うかもしれません。
しかし、これではかえって行き渋りが長引くことも。
この場合、「今日は3時にお迎えに来るからね。家に帰ったらホットケーキを食べようね」などと声をかけるといいでしょう。大事なのは、必ず約束を守ること。子どもは「この先に楽しいことが待っている」と信じて頑張ることができます。
■小学校に通う子どもへの対応
小学生の場合、学年が上がるにつれて、友人関係のトラブルや学習面での不安も重なり、登校渋りの原因は複雑になっていきます。宍戸先生は、「重要なのは子どもが発する『不登校のサイン』を見逃さないこと」と述べています。
子どもの日々の様子をよく観察していると、元気がなくなったり食欲がなかったり、おなかや頭が痛いと言ったり、何かしらの兆候が見られるはず。
宍戸先生は「年齢が低ければ低いほど、脳の機能が未分化なので、心にかかったストレスが体の症状として現れやすい」と言います。
また、口数が減ってしまうのも不安を抱えているサインです。子どもが漠然とした不安を抱えている場合には、それをどう表現してよいのかわからず口数が減ってしまうそう。