“読書好きなのに国語が苦手” なのは「物語ばかり読んでいる」から。論理力を鍛えるなら〇〇を読むべき
と指摘します。
ほめられると子どもは嬉しくなり、「もっと早く読んでお母さんを喜ばせよう!」と早読みするようになります。その結果、文字を一字一句きちんと読み込まずに、どんどんナナメ読みへと走るようになるのです。国語のテストでは精読する力が求められるため、ナナメ読みの癖は弊害にしかなりません。
■原因2:読むジャンルが偏っている
教育評論家の石田勝紀さんは、「これまで3,500人以上の小中高生を直接指導してきたなかで、『読書好きでも国語ができる子とできない子の違い』について、ある特徴が見られる」と話します。それは、好んで読んでいるジャンルが「小説・物語系」か「説明文・論説系」か、という違いです。
石田さんによると、読書好きで国語が苦手という子は、小説や物語ばかりを好んで読む傾向があり、読書好きかつ国語が得意という子は説明文・論説系を読んでいるそう。物語系と論説系では、文章構造が根本的に異なります。
つまり、読んでいるときの “思考のプロセス” がまるで違うのです。
物語・小説系の基本的な文章構造は、時系列に沿っていることが多く、登場人物たちになんらかの出来事が起こり、心情が変化する様子を描写しています。一方で、説明文・論説系は基本的に「序文・本論・結論」という構造で成り立っており、論理的展開が明確です。論理的思考力が備わっていないと、国語のテスト問題を読み解くのは困難でしょう。
■原因3:論理力が身につかない読み方をしている
国語のテストでは、論理的思考に基づいた読解力が必要不可欠です。先ほど述べたように、物語の世界に浸って情緒を育んだり、ストーリーを追いながら感情の起伏を楽しんだりする読書と、論理力を駆使しながら読み解く読書は別物であると考えていいでしょう。
『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)の著者・小川大介さんは、「国語のテスト問題では、素材文(問題を解くために与えられた文章)を読んでいない人でも『ああ、なるほどね』と理解・納得できる答えを求めている」と話します。
【問題例】「気がすすまないがしぶしぶ一緒に行った」とありますが、それはどういうことですか?
【考え方】「登場人物に起こった出来事」+「それまでの事情に基づくその人物の受け止め方」+「その結果生まれる感情」をうまく取り入れながら、素材文を読んでいない人にも理解してもらえるような答えを考える。