夏休みの宿題を手伝う親が子どもから奪っている力。小学校の先生は “ココ” を見ています!
新型コロナウィルス流行にともなう休校措置の影響から、2020年の夏休みは全国的に短縮傾向にありました。それにより、ほとんどの学校では夏休みの宿題も比較的少なめに設定されたため、ほっとしたご家庭も多かったのではないでしょうか。
子どもたちだけでなく、私たち保護者も毎年頭を悩ませる夏休みの宿題――。今年も「大変そうなわが子のために」と手伝ってしまいませんでしたか?
約6割の保護者が「子どもの夏休みの宿題を手伝う」
では実際に、夏休みの宿題を手伝う親はどれくらいいるのでしょうか。
グループコミュニケーション支援サービス「らくらく連絡網」を運営する(株)イオレが2018年に実施した調査によると、小学生の子どもの夏休みの宿題を手伝う親は58.4%にものぼったそう。さらに、実際には手伝わないまでも、全体の73.6%が子どもと夏休みの宿題の進め方について「相談する」と回答しています。
入学したての1年生であれば、保護者のサポートが必要でしょう。
しかし多くの保護者は、その次の年も、そのまた次の年も、ズルズルと一緒に夏休みの宿題に取り組んでいるようなのです。この調査では、入学から3年連続で宿題を手伝うと、4・5年生になっても引き続き手伝ってしまうケースが多いことが明らかになっています。
保護者が子どもの夏休みの宿題を手伝う理由は次のようなもの。
「子どもの苦手な内容があるから」34.8%
「手伝わないと間に合わないかもしれないから」30.6%
「難易度や危険度が高く、子どもだけでは取り組めない部分があるから」28.7%
一方で、「夏休みの宿題を手伝わない」と答えた41.6%の保護者に「手伝わない理由」を尋ねたところ、次のような回答が得られました。
「自分の力で乗り越えてほしいから」54.7%
「子どもの宿題を手伝うと、子どものためにならないから」44.8%
これらのことから、子どもの夏休みの宿題を手伝う目的は「困難の手助け」であり、手伝わない理由は「困難の克服」であることがわかります。お子さんの将来を考えると、どちらがよいかは明白ですね。
宿題を手伝う親が子どもの「考える力」を奪っている
本当は自分の力で最初から最後までやり遂げてほしいのに、つい口や手を出してしまう夏休みの宿題。しかし、親が子どもの宿題を手伝うことは、私たちが思っている以上に深刻な弊害をもたすようです。