ドリルを解くより効果的! 子どもの計算力を鍛える超簡単な方法
また、理系職に就く女性は出産後、職場復帰がしやすいという話もよく耳にします。文系職の多くは、その人が抜けても、別の人がその穴を比較的簡単に埋めることができることが多い。しかし、理系の研究職ではそうもいきません。研究は長いスパンで行なわれます。ですから、研究者を1人失うことは、企業にとって、研究の進展を妨げる大きな痛手となります。そこで、「産休・育休後は戻ってきてね」となるわけです。
このように、理系を自由に選択できるということは、人生設計の自由度を高め、結果として将来の豊かさにつながります。これから先、社会はますます多様化していくでしょう。
そのなかで、幅広い人生の選択肢を確保するために、「算数が得意であること」は大きな強みになります。
まずは、小さい頃から数に親しみ、算数への苦手意識をなくすこと。それが、子どもの豊かな未来への第一歩となるはずです。
子どもを「算数好き」にするチャンスはどこにでもある!
先日コンビニで、5歳くらいの男の子のお母さんが、「好きなお菓子を選んで、これでピッとしておいで」と、電子マネーのカードを渡しているのを見かけました。このような買い物の仕方は、とてももったいないと思います。私だったら、子どもに現金を渡して「この金額内で、好きなお菓子を買っていいよ」と伝えます。すると、子どもは限られた金額で満足度の高いお菓子を買うために、必死に計算をします。計算ドリルを解くよりも、効果的に、かつ自然に計算力を鍛えることができます。
あるいは、子どもが好きな趣味から、数学的知識を学ぶこともできます。私は、大きな数に対する感覚を、宇宙の本を読むことで自然と身につけました。宇宙の本や図鑑を見ていると、月までの距離は38万km、太陽までの距離は1億4,960万kmなど、当たり前のように大きな数が登場します。大好きな宇宙に関することですから、そういった数字はどんどん頭に刷り込まれていきます。授業のなかで嫌々覚えるのとは、吸収力が違うのです。
このように、普段のなにげない場面で子どもの算数の感覚を伸ばせないかどうか、考えてみてはいかがでしょうか。頭だけでなく自分の体験として覚えたことは、机に向かう勉強以上に身につくものです。じつは、日常生活にはいろいろな学びの種が隠れています。
少し見方を変えるだけで、子どもの能力を伸ばすきっかけが見えてくるはず。
今回お伝えしたように、子どもが学ぶことの楽しさに気づき、自分自身の才能を伸ばしていくうえで、おうちの方をはじめとする周りの大人のサポートは欠かせません。