「あとでね」が続くと、子どもは絶望感に襲われる。ママは私が嫌いなの?
「あとでね」と言われ続けた子どもの心理・困った行動
親から「あとでね」と言われ続けた子どもは、どうなってしまうのでしょうか。
■「やる気」が奪われる
「縄跳びができるようになったよ、見て見て!」「ブロックが高く積めたよ!」「絵が上手に描けたよ!」と言いに来る子どもは、とにかくいますぐ見てほしい、ほめてほしい、という気持ちが強いものです。「いくら忙しいからといって、このタイミングで『あとでね』と言ってしまうと、高揚した子どもの気持ちが急速にしぼんでしまい、せっかくのやる気が失せてしまう」と話すのは、臨床心理士の河井英子さん。
子どものやる気が高まっているときは、少しだけでも忙しい手を止めて、できるだけ「あとで」は言わないようにしたほうがいいでしょう。子どもがほめてほしいときにほめてあげることが大事です。
■「聞く態度」「聞く姿勢」が育たない
花まる学習会代表の高濱正伸さんは、「子どもの『聞く態度』『聞く姿勢』は、家庭での毎日の積み重ねが重要」と話します。親がしっかりと見本を見せていれば、子どもの「聞く態度」「聞く姿勢」はぐんぐん育つでしょう。
「『先生の話、ちゃんと聞いてる?』『先生の目を見て、きちんと聞くのよ』とどんなに言い聞かせたところで、家庭で親が子どもの目を見ないで空返事をしていては意味がない」と高濱さん。
「あとでね」と言いながら、子どもの話をいい加減に聞き流してばかりだと、子どももそのうち同じ態度をとるようになってしまいます。
■「聞いて聞いて」が続き、いつまでも満足しない
「子どもとのコミュニケーションは時間の長さではなく、子どもに対して『心を向けているか』どうかが重要」と話す帝京短期大学教授の宍戸洲美さんは、「親の心が自分に向いていないと感じる子どもは、『聞いて、聞いて』と同じことをいつまでも話しかけてくる」と指摘します。
臨床心理士の福田由紀子さんも同様に、「しっかり聞いてくれていると子どもが感じると、思ったより時間がかからない。適当に聞いているから長引く」と述べています。子どもは意外と大人の本心を見抜いているのかもしれませんね。
■親と話をしなくなる
家族間のコミュニケーションは、子どもの人生において人間関係の基盤にもなる重要なものです。そのため、親は子どもに対して、豊かなコミュニケーションを育み、社会性を育てていくことを意識する必要があります。