カーリングペアレントが奪う「失敗体験」。子どもが “安心して失敗できる” 親とは?
そしてその際によく見られるのが、「衝動コントロールができなくなってキレる」「弱い者いじめをして欲求不満を発散する」「不登校やひきこもりの形で安全地帯に避難する」の3つの行動。失敗体験がないまま成長すると、子ども本人が生きづらさを抱えていくことになってしまいます。
失敗を通して学ぶ「やり抜く力」と「決断力」
次は「失敗を通して学ぶこと」について、詳しく解説していきます。失敗体験を重ねることで身につく力はたくさんありますが、そのなかでも「やり抜く力(GRIT)」と「決断力」はとても重要です。
失敗によって身につく力1:やり抜く力(GRIT)
ペンシルバニア大学心理学教授のアンジェラ・ダックワース氏の研究によると、「やり抜く力」は生まれもった才能ではなく、失敗を恐れずに挑戦し続けることで後天的に身につけられるのだそう。何度も失敗を繰り返すことで、「今度こそ!」と成功を目指してやり抜こうとする意識が芽生えるのです。
どんなに優れた才能や恵まれた資質が備わっていても、何事も途中で投げ出してしまうようでは成功をつかむのは難しいでしょう。逆に、才能や資質に恵まれていなかったとしても、粘り強く取り組む姿勢と努力し続ける強い意志が備わっていれば、成果をあげることができるはず。
親は、子どもに失敗させないように先回りして手を出すよりも、たとえ失敗しても自分の力で立ち上がれるようにサポートすることが大事です。子どもが、何度でも挑戦しようと思えるような接し方や声かけを意識しましょう。
失敗によって身につく力2:決断力
失敗によって培われる、もうひとつの力は「決断力」。オーストラリアエディスコーワン大学教育学部講師のマンディー・シェイン氏は、「失敗がもたらす最大の利点は、自分の決断に対する当然の結果を学べること」と断言しています。
たとえば、「宿題をしなければ怒られる」「練習をしなければレギュラーになれない」という “結果を経験させること” が大切なのです。「Aをしたら、Bが起こる」というシンプルな概念も、失敗を経験してこそ理解できるとシェイン氏は言います。
「決断」には責任がともないます。自分の決断によって不利益が生じたり、傷ついたり後悔したりすることを恐れていては、いつまでたっても決断力は身につきません。
わが子には、失敗をたくさん経験して決断力を高めてもらいたいものです。