【産婦人科医監修】出生前検査とは?妊婦さんの相談体制を整備へ!いつから&受ける前に知っておきたいことを紹介
出生前検査とは?
お腹の赤ちゃんの先天異常を調べる検査
ママのお腹の中にいるあいだに赤ちゃんの病気や状態を調べる検査を出生前検査といいます。出生前検査では染色体異常、遺伝子疾患、子宮内感染症、奇形などを判定できます。
羊水穿刺や超音波などで検査が行われる
出生前検査は染色体異常などの診断やリスク評価に使われる遺伝学的検査と、赤ちゃんの奇形や臓器の異常を調べる胎児超音波検査のふたつに区別されます。遺伝学的検査はさらに赤ちゃんの疾患の可能性を評価するために行う非確定的検査と、赤ちゃんの疾患の診断を確定させるために行う確定的検査に分かれます。
確定的検査には、検査結果をもとに医師が診断を行う羊水検査と絨毛検査があります。いずれも子宮内穿刺により羊水や絨毛を採取するため、流産や破水などのリスクをともないます。
確定的検査よりも手軽だとして広まっているのが、母体血清マーカー検査や新型出生前診断(NIPT)などの非確定的検査です。ママからの採血で検査が済むため、安全性の面でも評価されています。
母体血清マーカー検査と胎児超音波検査を組み合わせたコンバインド検査も行われています。
妊娠9週~20週頃に行う
出生前検査を実施する時期は、検査の種類や医療機関によって異なります。子宮穿刺をする羊水検査は妊娠15週以降、絨毛検査は妊娠11週~14週が目安です。母体血清マーカー検査は妊娠15週~20週、NIPTは妊娠9週~10週頃以降に採血するのが一般的です。コンバインド検査が行われるのは、妊娠11週~13週です(※1)。
出生前検査は、検査結果によって赤ちゃんの命にかかわる重大な決断をしなけらばならない可能性があるものです。そのため、検査のメリット・デメリットを正しく理解し、検査を受けるかどうかを慎重に判断することが大切です。
夫婦ふたりでしっかり検討できるように、検査前には産婦人科医と遺伝専門医による複数回のカウンセリングが設けられています。
検査はカウンセリングとは別の日に行われるため、出生前検査について知りたいときは余裕をもってかかりつけの産婦人科医や自治体の窓口に相談すると良いでしょう。
出生前検査の相談窓口が整備へ?
2013年にNIPTが日本で初めて導入されて以来、出生前検査を実施する医療機関は増加しています。その中には本来必要とされる遺伝的カウンセリングや心理的ケア、検査後の診療体制が不十分な病院もあり、ママやパパたちの混乱を招くケースが出てきています。