胎児動脈管早期収縮とは?妊娠中のポリフェノールの取りすぎが原因?自覚症状や予防方法【産婦人科医監修】
などの血管拡張作用によります。このプロスタグランジンの産生を抑える作用を持ち、胎児動脈管早期収縮を引き起こす可能性があるのが解熱鎮痛などに使われる非ステロイド性抗炎症薬です。
胎児動脈管早期収縮が認められた症例では、インドメタシンやアセトアミノフェンを服用していたケースがありました。ケトプロフェンを含む外用湿布剤を大量に使用していた症例も報告されています(※1)。
ポリフェノールの過剰摂取
近年になり、ルイボスティーやプルーンなどの食品に含まれるポリフェノールが原因と考えられる症例がいくつか報告されています。実際の症例では、妊娠36週から2週間、毎日ルイボスティーを煮だして飲み続けていた妊婦さんの胎児に動脈管の早期収縮の兆候が見られました(※2)。
胎児動脈管早期収縮は母体に自覚症状はある?
胎児動脈管早期収縮はママ自身が自覚するような痛みや体調の変化に乏しいものですが、赤ちゃんの胎動が普段と比べて弱く感じられたことで産科を受診し、診断につながったケースがあります。
通常は妊婦健診などのエコー検査で異常が発覚することが多く、異常がみとめられた場合は、より詳しく調べるために胎児心臓超音波検査が行われます。
胎児動脈管早期収縮の予防方法は?
薬を服用するときは医師や薬剤師に相談する
市販されている解熱鎮痛剤などの経口薬をはじめ、湿布剤などの外用薬でも胎児動脈管早期収縮を引き起こす可能性があります。薬を使用するときは医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
アセトアミノフェンのように妊娠中でも安全に使用できるといわれている薬も、服用に際しては自己判断を避け、医師や薬剤師に相談してから薬を服用すると安心です。
ポリフェノールの過剰摂取を避ける
ポリフェノールは玉ねぎやトマトといった一般的な食品に含まれる成分で、通常量であれば赤ちゃんへの影響を気にしすぎることはないでしょう。
そうなると、気になるのは一日の摂取量の目安です。これまでのところ妊娠中の目安となるポリフェノールの摂取量は定められていませんが、ルイボスティーが影響を及ぼしたとされる症例では、1日500mLを毎日飲用していたことが報告されています(※3)。
胎児動脈管早期収縮を防ぐためにも、ひとつの食品にかたよって毎日過剰に摂取し続けることは控え、食事や飲料はバランスよくとることを心がけたいですね。