産後に集中力や記憶力が低下する?マミーブレインとは?
マミーブレインとは?どんな症状?
次に何をすれば良いのかぱっと思い浮かばなかったり、やらなければいけないことを忘れてしまったり、産後に頭が回らないと感じるママは多いようです。その反面赤ちゃんのうんちのにおいや機嫌、体調の変化には敏感に気づきます。
ママが赤ちゃんのお世話や発達のことが第一になり、生活に関することがあとまわしになるのは珍しくありません。あわただしい毎日のなかで、出産前と比べて記憶力や集中力が落ちた、判断力が鈍ったと感じる状態を一般的に「マミーブレイン(ママの脳、女脳)」と呼びます。
マミーブレインは、ぼーっとしたりうっかりミスが増えたりする「産後ボケ」のような現象であり、医学用語や病気の症状ではありません。SNSなどでは、自分の「やらかしてしまった体験談」にマミーブレインのハッシュタグをつけて発信している人もいます。
マミーブレインの原因は?
「ブレイン」という単語が意味するように、これまでマミーブレインの原因とされてきたのは、脳の萎縮により脳機能が低下するのではないかという説です。しかし実際は脳の変化と認知能力に関する文献は少なく、科学的根拠に乏しいのが実状でした。
このような状況のなか2016年にイギリスの科学誌で、妊娠から出産後にかけて女性の脳の一部が縮小するものの認知能力の低下は見られなかった、という論文が発表されました。研究チームは、脳の変化が赤ちゃんの感情や体調の変化を察知する能力や、危険を予測して回避する能力などを高めている可能性も示唆しています。
2023年にアメリカの医学雑誌に掲載された記事でも、産後の女性が認知能力の低下を感じている一方で、実際には子どもがいる女性と子どもがいない女性のあいだに認知能力の有意な差は認められなかったという報告がなされました。
これらの報告を含む最近の研究では、脳の変化は認知能力の低下をもたらすものではないという考えが示されています。ママたちが感じているマミーブレインは、睡眠不足や育児疲れ、ホルモンバランスの変化などによるものと考えられます。
マミーブレインはいつまで続く?
マミーブレインは疲れや睡眠不足が原因で起こると考えられるため、回復時期は生活環境や体力などによって人それぞれです。一般的には赤ちゃんの生活リズムが一定し、育児に慣れてくる半年から一年ころに産前の状態に戻る人が多いようです。