トイレが正社員と別!? “非正規社員差別”の体験談と差別を撲滅する方法
こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。
数か月ほど前でしょうか、Twitterで「非正規社員はエレベーターの使用禁止」という会社があるとの投稿があり、話題になりました。
するとその後、「うちの職場は非正規社員の社員食堂の利用が禁止されている」とか「非正規社員が役員クラスの人に挨拶すると管理職から怒られる」など、 明治期から戦前の身分制度を思わせるような話が相次いで投稿され、非正規社員に対して今わが国で起きている差別的な待遇がけっして珍しいものではないことが次第に明らかになってまいりました。
そこで今回、筆者の周りで非正規社員として働いている人たちに、「実際にあった非正規社員差別」の例を聞くと同時に、その人たちが差別に負けないためにはどうしたらいいのか について考えてみました。
理不尽な非正規社員差別を撲滅するために、ご一緒に考えてみませんか?
●濡れ衣を着せる系の非正規社員差別は人として大問題
筆者が聞き取りをすすめる中で意外なほど多かった非正規社員差別は、「濡れ衣を着せる」系の差別です。具体例を紹介しましょう。
『個人情報が載った書類の紛失を、正社員の所属長によってアルバイトである自分のミスとして課長に報告された。
本当は所属長による“うっかり忘れ”が原因だった』(30代男性、アルバイト)
『「パッケージに破損がある商品を店頭に品出ししたのはパートのあんただろう」と朝礼の場でみんなの前で正社員のマネージャーから責められた。自分ではないと言ったら、「嘘をついてまで言い逃れしようとする。これだから非正規は困るんだ」と言われた』(40代女性、パート)
このように立場の弱い非正規社員の人にミスの責任を押し付けたりありもしない濡れ衣を着せたりする ことは、正規だ非正規だを論じる以前に人として大問題です。
その大問題が、わたしたちが思っているよりも高い頻度で日常的に起きているという感触が、聞き取りをすすめていく中で強くなった気がします。
●職場の施設の利用を非正規社員にだけ不当に禁止することは法律に抵触する恐れがある
「濡れ衣を着せる」系の差別以上に筆者が「多いな」と感じたのは、「正社員が自由に利用している職場の施設の利用を非正規社員にだけ不当に禁止する」という、「利用(使用)禁止」系の非正規社員差別です。下記のような事例を筆者は実際に聞き取りました。