子育てママにおすすめ? “地域限定正社員”になるメリット・デメリット
皆さんは“限定正社員”という働き方をご存知ですか?
アベノミクスの経済成長戦略の一環として比較的最近スタートした制度のため、具体的に“限定正社員”がどういうものか分からないという人も少なくないと思います。
限定正社員には“職種限定正社員”と“地域限定正社員”などの種類がありますが、今回は地域限定正社員(エリア限定正社員)についてお話ししていきます。
●地域限定正社員とは
地域限定正社員について知る前に、限定正社員がどのような背景の中でスタートしたのかを知っておきましょう。
今、日本では労働者の3割以上が“非正規労働者”として働いています。非正規労働者は基本的に正社員よりも給与や待遇が低いことが多く、以前は同じ職場で何年働こうが正社員になれない人も大勢いました。
しかし、そのことが問題視されるようになり、2013年に労働契約法が改正され、同じ職場で5年以上働いている非正規労働者は申し出をすることで無期契約に切り替えることができるようになりました。
ただ、5年以上働いた者を全員正社員にすることは、企業にとってコストのかかることであり、場合によっては経営を圧迫する可能性もあります。
そこで検討されたのが、正社員と非正規労働者の“中間”とも言える限定社員なのです。
限定社員は無期契約で雇用の安定が得られる 一方、職種や働く地域が限定される等の条件を背負います。
地域限定社員の場合は“働く地域”が限定された正社員となります。
反対に企業は、無期契約を結ぶ代わりに普通の正社員で雇うよりも人的コストを低く抑えることができます。
●地域限定正社員になるメリット
●(1)子育てしながら働きやすい
地域限定社員になると、転勤になる可能性がないので住み慣れた地域でずっと働き続けることになります。
そのため、子育てをしながら働いている人でも、引越しや単身赴任などで家族に負担をかけることなく 生活することができます。
●(2)解雇されにくい
地域限定正社員に限りませんが、限定正社員は基本的に“正社員”という扱いになります。
そのため、企業で特別な解雇相当事由が設定されていない限りは、普通の正社員よりも解雇されやすいということはありません。●地域限定正社員になるデメリット
●(1)働いている支社や支店が潰れたら解雇になる
地域限定正社員は原則的に“無期契約”となりますが、働ける地域が限定されているため、勤務している支社や支店が潰れたら同時に解雇となる 恐れがあります。