コミュ力だけで世間は渡れない?“コミュ力自慢”の子の「適性」と「落とし穴」
筆者が地元C市に住む30代主婦の女性から聞いたこの話は、「ヤンキー的なコミュ力だけである程度まで出世した人は、より質の高いところを目指そうと思うとかつてヤンキー的な仲間だった人たちからの村八分に遭って失脚する怖れがある」という教訓を示しています。
●コミュ力はもちろん大切だがもっと大切なのは譲れない“信念”
今回の話を読まれて「息子にはコミュ力で上手く世間を渡って行ってくれればそれでいいわ」とお感じのママも多かろうと思います。
筆者もそう思います。というよりも、コミュ力でもって市会議員にまでなられたSさんのような方はすごいと思いますし、それ以上の出世など望まなくてもいいのではないかとも思います。
ですが、ママのみなさんに考えていただきたいことが一つだけあります。
今の日本の社会、コミュ力だけで渡っていたらしまいには疲れ果て、おかしくなってしまう と思いませんか?
コミュ力の根幹をなす要素の一つである「協調性」という能力はとても大切なものではありますが、『協調性だけを強調するカルチャーが、ムラ社会におけるいじめのロジックを補強している。一人だけ変わったことをするやつはいじめていいという話につながっている』(前出・斉藤環氏)
という精神科医の見方もあるように、コミュ力頼み・協調性頼みでやや無理して繋がった人間関係においては、Sさんと後援会長でもあるK社の社長さんのようにいったん亀裂が入ってしまうと深刻です。
Sさんは立派な大人ですから大丈夫でしょうが、もしまだ10代のお子さんがそんな状況にぶつかって悩んでいたなら、ママのみなさんはこう言ってさしあげてください。
『協調性だとかコミュニケーション力だとかよりも、自分の信念を大切になさい 』と。
その後30代主婦の女性から聞いた話ですが、Sさんは市議落選浪人中の間に再生可能エネルギーについて独学で猛勉強され、Sさんを支援するC市の市民の人たちの後押しもあり、次の市議選には満を持してリベンジの立候補をするそうです。
ご自身の考えが必ずC市の市民の生活を豊かにするはずだというSさんの信念はきっと功を奏するはずだと筆者は信じて疑いません。繰り返しますがママのみなさん、お子さんが「人間関係の協調か、自分が正しいと思う信念か」で悩んでいたら、信念を大事にするようにおっしゃってください。
親だけは絶対的に子どもの味方でいてやらなければいけません。