子育て情報『安易な考え?「地方で生きたい」と願う子にママが伝えるべきこと』

安易な考え?「地方で生きたい」と願う子にママが伝えるべきこと

安易な考え?「地方で生きたい」と願う子にママが伝えるべきこと

こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。

先日、知り合いの40代のママであるAさんからこんな相談をされました。

そのかたは旦那さまが東京を地盤にしている金融機関勤務で、お子さんたちは二人とも東京生まれの東京育ち。なのに高2になるお兄ちゃんが『俺、将来は地方で生きたい』 と言い出したのだそうです。

詳しく聴いてみると、「地方で何がやりたいのか」という点は漠然としていて、『とにかく東京都心の喧騒が嫌いだ。地方がいい 』といった感じのため、母親としてはとても不安だとおっしゃるわけです。

そこで今回は、かつて政府系政策銀行の職員として地方の地場産業振興の仕事にも携わった経験がある筆者から「地方で生きたい」と考えているお子さんたちに、最低限こころがけておくべきことをお話ししたいと思います。


漠然と「地方で生きたい」と考えているお子さんとその親御さんに、参考にしていただければ幸いです。

あえて「地方の悪いところ」から言うなら、それは“閉鎖性”と“依存性”です

たしかに、公共の交通機関が少なく自動車がないと生活ができないとか、企業や商店も少ないため仕事を見つけるのが大変といった短所が地方にはあります。

ですがこういった物理的な不便さはある意味で「わかりきったこと」 なわけで、地方で生きようと思ったら最初から心しておくべきことだとも言えるのです。

それよりもむしろ地方が「意識して直すべき悪い点」は、一つは“よそ者に対してなかなか心を開かない閉鎖性 ”であり、もう一つは“結局、最終的には中央に陳情して何とかしてもらおうといった依存性 ”です。

日本の地方都市や農村・漁村にはこのような思考様式面での問題点があり、戦後の73年間のうちのほとんどの期間を同じ保守系政党が政権を握ることができた所以もこの地方票の閉鎖性と依存性をよく理解して、対応してきた点にあると考えられます。

閉鎖性と依存性が強い地方に都会っ子がいきなり移住したらどうなるか

閉鎖性と依存性が強い地方にAさんの息子さんのような都会っ子がいきなり移住したらどのようなことが想定されるでしょうか。

まず考えられるのは、地域の自治会の寄り合いのような、その共同体独特の風習に馴染むことができず、孤立感と疎外感に苛まされる ということが容易に想起できます。わが国の村社会は、欧米系やアフリカ系の外国人のような距離的に遠い存在の人たちには意外と寛容で彼らをすんなり受け入れる ところがあるのですが、おかしなことにすぐ近くの隣国の人や同胞に対しては不寛容な傾向が見てとれます。

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