子育て情報『母性とのバランスが大事!? “父性”の必要性と子育てへの生かし方』

母性とのバランスが大事!? “父性”の必要性と子育てへの生かし方

母性とのバランスが大事!? “父性”の必要性と子育てへの生かし方

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

みなさんは、「父性(ふせい) 」という言葉をご存じでしょうか。

筆者のように、かつて医療福祉大学の事務方のコーディネーターとして多くの医師たちと一緒に仕事をしていた者にとっては何度も耳にした言葉ですが、 普通はあまり耳馴染みのない概念ではないかと思います。

父性とは、子育てにおいて父親に期待される性質 のことです。

一般論としては、「母性」が子どもの欲求を無条件に受け入れ包み込んでやる性質であるのに対し、子どもに社会的ルールや忍耐といったものを教える能力や性質 のことを「父性」と呼んでいます。

映画評論家でもある精神科医の樺沢紫苑先生は、著書の『父親はどこへ消えたかー映画で語る現代心理分析ー』で、今のわが国でみられる“いじめ”や“引きこもり”、“草食系男子”といった精神医学的な諸課題がすべて「父性の消失」と深く関わっていると指摘し、今この問題に対処しないと10年後の日本は大変なことになるとの危惧を表明しました。

その一方で、臨床歴40年超のベテラン児童精神科医である佐々木正美先生は、『母性と父性は量的なバランスはさほど問題ではなく、先ずはありったけの母性をもって子どもをありのままに包み込んでやることこそが重要である。
先に母性、後から父性という順番こそが大事なのだ』という主旨の自説を展開されています。

今回は子どもをもつすべてのママやパパと一緒に、「父性」というものについて考えてみたいと思います。

●母子家庭にも父性はあり、父子家庭にも母性がある

さて、父性というものについて考えるときに忘れてはいけないことがあります。

それは、父性はけっして男性に固有のものではなく、一方で母性もけっして女性に固有のものではない ということです。

片親でも立派に子どもを育てている家庭が数えきれないくらい存在することが証明しています。母子家庭にも父性はあり、父子家庭にも母性があるということです。

佐々木正美先生は上述したように、母性と父性の量的なバランスはさほどの問題ではないとおっしゃっていますが、それでも『母性が強すぎると甘えん坊で自立できない人間が育ち、父性が強すぎると幼児性と攻撃性が出てくる』と指摘しています。何事も“すぎる”ことはよくないということですね。


その意味では、シングルマザーやシングルファーザーで立派にお子さんを育てている人は、一人で母性的な役割と父性的な役割を実にバランスよく担われているということだろうと思います。

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