十年後の社会が心配!? 若者たちに蔓延する“スマホ病”の実態と弊害
これについては、前述のA先生からその話題が出るずっと以前より筆者自身がとても憂慮していたことでもありました。
そもそも、相手から勝手に送られてきたメールを読もうが読むまいが、そんなことは個人の自由であるはずです。
ところが、LINEという超近代的なスマホアプリによって見事に復活した前近代のいじめ形態は、今やわが国の中学生・高校生の日常生活を四六時中監視し、支配しています。
A先生によれば、『中高生以上の子どもたちの間では、村八分にされることが怖くて年がら年中スマホ(LINE)をチェックしていなければならないという文化 は既に定着してしまっている』ということになり、「他人がなんと言おうと自分は自分の道を行くぞ」といった近代的な自我や自尊心のような意識が破壊されつつあることに警鐘を鳴らしているのです。
●精神科領域だけではない“スマホ病”の弊害
いかがでしょうか。
今回は主に精神科医の立場から気にかかる子どもたちの“スマホ病”について考えました。
医師をしている筆者の友人でも整形外科が専門の人はいわゆる“ストレートネック”による目まいや頭痛、手足のしびれといったスマホによる健康被害を気にかけています。
都内で眼科クリニックを開院している医師のM氏は、『今、驚くべき速さで若い人の“老眼”が増加している 。
これは、10代半ばのころから毎日毎日長時間にわたってスマホを使用しつづけてきたことと無関係ではないように思う』(40代男性/都内眼科クリニック院長、眼科医)と述べ、患者とその保護者の人たちに注意を呼びかけているとのことでした。
社会の将来を担うのは言うまでもなく、子どもたちです。
わたしたち大人は医師たちがこれほど心配している子どもたちの“スマホ病”というものに関して、もう少し真剣に考えて、対処して行く必要があるのではないでしょうか。
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
●モデル/大上留依(莉瑚ちゃん)