子育て情報『65じゃ若すぎる? 高齢者の定義を“75歳以上”に引き上げるリスク』

65じゃ若すぎる? 高齢者の定義を“75歳以上”に引き上げるリスク

65じゃ若すぎる? 高齢者の定義を“75歳以上”に引き上げるリスク

こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。

『日本老年学会』などは先ごろ、現代の日本人は10~20年前と比べて加齢に伴う心身の衰えが遅いという理由から、現在「65歳以上」とされている“高齢者”の定義を「75歳以上」に引き上げるべきだ という提言をいたしました。

政府の中にも以前から高齢者の定義を「70歳以上」にした方がいいという案はあり、ある国会議員は「65歳の人を高齢者なんて扱うのはもうやめよう」と、公の場で発言もしています。

筆者の友人でもある精神科医のA先生(50代・女性/都内メンタルクリニック院長)は、下記のように述べ、高齢者と定義する年齢の引き上げには慎重であるべきと指摘しています。

『自分自身の臨床経験から言うと、人間の認識力や判断力は、70代に入ると急激に衰えるという印象を持っています。最近目に余る70代以上のドライバーの運転ミスによる自動車事故の多発が典型的な例ですが、70代以上の人の身体能力や認知能力を安易に過大評価することには懸念を禁じ得ません』

この問題、パパ・ママ世代の生活にもかかわることなので、もう少し一緒に考えてみましょう。

●さらなる定年延長の制度化に繋がり若年層の雇用縮小と労働現場の活力低下が懸念される

現在の法律では60歳で定年に達した社員でも希望すれば65歳までは勤務できるようになっていますが、今回出てきたような「高齢者と定義する年齢の引き上げ」が社会的に主流の考え方になってきた場合、定年そのものが65歳とか68歳。


さらに希望すれば70歳から75歳まで勤務できる。こういったことが企業に義務づけられ制度化される公算が高くなります。

しかし、さすがに70代以上の人が会社に何人も居るようになってきますと、若年層を雇用する余裕が企業から失われてきますし、何よりも労働現場の活力の低下が心配されます。

●年金の支給開始年齢が今以上に引き上げられたら気持ちの部分から折れてしまうのが心配

『日本老年学会』は今回の提言を年金の受給年齢などに反映させることには慎重な態度を示してはいますが、行政府などにとってはこれにより年金の支給開始年齢を上方修正しやすい雰囲気 ができてくるのであれば、本音の部分では好都合な面もあるでしょう。けれど、実際問題として今57歳である筆者にとっても現行の年金支給開始年齢の65歳まで「あと8年もある」

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