子育て情報『コロナ自粛で「サッカーを大切にするようになった」子どもたち。札幌中央FCの現状』

コロナ自粛で「サッカーを大切にするようになった」子どもたち。札幌中央FCの現状

新型コロナウイルスの感染減少にともない、社会活動が徐々に再開し始めました。しかし都道府県によって現状は異なり、同じ県でもクラブの状況によっては、サッカーの活動範囲が限定的なところもあります。

早期に感染拡大が起きた、北海道札幌市にある『札幌中央FC』の明真希(あきらまさき)監督は、活動停止期間を経て子どもたちにポジティブな変化が現れたといいます。その変化とはどんなものか伺いました。(取材・文:鈴木智之写真提供:札幌中央FC)

目次

・あえてオンラインツールを活用しなかった理由
・限られた時間しかサッカーができないことで子どもたちに現れた変化
・改めて気づいた「大人の仕事」とは


コロナ自粛で「サッカーを大切にするようになった」子どもたち。札幌中央FCの現状

札幌市の繁華街が近いこともあり、活動再開も慎重にならざるを得なかった

■あえてオンラインツールを活用しなかった理由

北海道での新型コロナウイルスの感染拡大は早く、2月下旬には感染者数が東京よりも多くいました。独自に緊急事態宣言を出すことで活動自粛を進め、感染者数を抑え込んできましたが、その後「第2波」が押し寄せるなど、厳しい状況が続いていました。

第2波襲来以降、活動が段階的に解除できたのが5月30日。札幌市では学校の分散登校が6月1日から始まり、少しずつ日常を取り戻し始めました。
学校再開にともない、道内のサッカー少年団の活動も復活したところがあります。

札幌中央FCが活動する札幌市中央区は「すすきの」という繁華街が近くにある、札幌の中心です。東京の新宿歌舞伎町のようなものといえば、イメージしやすいかもしれません。地域性や場所の問題が重なり、学校側もチームの活動再開に対し、慎重にならざるを得ませんでした。

学校再開後もグラウンドは使えないままで、体育館も『密』を避けるため一部の学年の教室となり、使うことができません。結果的に、子どもたちの活動場所は失われてしまいました。

イレギュラーな事態に直面した、札幌中央FC。緊急事態宣言が出され、活動ができない中、色々なチームの取り組みを目にする機会がありましたが、明監督は「ある疑問を感じました」と言います。
それが、オンラインの活用の仕方です。

自粛期間中にZOOMなどオンラインツールを活用し、コーチと子どもたちとの間でコミュニケーションをとるチームも多くありましたが、札幌中央FCはあえてしませんでした。その理由を、明監督は次のように話します。

「中高生であれば、個人の携帯やパソコンを使って、オンラインでコミュニケーションをとることも可能かもしれません。でも小学生は、保護者のスマホを借りて行うケースが大半です。

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