ボールを蹴るのは上手いけど、手で投げたりキャッチが苦手な子が多い。全身をうまく使えるようになる方法を教えて
(Ball school)。ボールゲーム教室という意味ですが、実際は子どものための運動プログラムのことです。ドイツのハイデルベルク大学スポーツ科学研究所で開発されました。
ほとんどが試合形式なので、子どもたちは楽しく入っていけます。野球のボールからバランスボールまで、大小さまざまなボールを扱います。
私もバルシューレのテキストを持っていて、そこから選んだメニューでトレーニングの導入部分などに活用しています。
子どものボールゲーム導入プログラム
(特定非営利活動法人・バルシューレジャパンのページにリンクします)
また、バルシューレには、サッカーの要素がたくさん含まれます。例えば、ネット越しでボールを使ったパス交換をした後は、それを「足でやってみよう」という展開になったりします。
ボールを相手の体に当てる鬼ごっこもあります。手で当てるときは、当たっても痛くないよう風船を使います。それを足でもやります。いわゆる発展形ですね。そのように発展させるのは、手も足も使うことで身体の機能がバランス良く高めるためでしょう。
■身体をイメージ通りに動かすことができれば全体的なプレーの質もアップ
身体の神経系は小さなときからどんどん鍛えられます。どんなスポーツも、自分が思った通りに動けるよう、バランスよく体の機能を向上させなくてはいけません。これが「コーディネーション」です。
自分の体をイメージ通りに動かすことができれば、スキルはもちろん全体的なプレーの質もアップします。そこから、もっと素早く動く、もっと高く跳ぶ、もっと強く蹴るといったことができるようになるのです。
さらにいえば、バルシューレがいいのは、遊び感覚でやっているあいだにいろいろな能力が身につく点です。そして、それはあくまでも手取り足取り教えられてやるものではなく、基本的に「自己学習」です。
例えば、手でボールを「投げる」という動作は、子どもが自由にどんどん投げていくことで、自分でいろんな動きを獲得していきます。遊びの中で、どんどん投げていると、勝手にフォームが良くなると言います。
教えられたわけでもないのに、なぜそうなるかは、研究の結果でも明らかになっています。つまり、根拠があるわけです。
■サッカーは「どう蹴るか」が目的ではない
一方で、指導者の皆さんの多くは、練習メニューが気になるようです。練習メニューや練習のやり方を一生懸命学ばれています。