ドリブルは好きだけど仲間との協力が苦手なU-6世代、この年齢は個人技の習得が優先?
ゲームをしながら、子どもがサッカーというスポーツを理解していく手助けをしてみましょう。
この連載直近の回で「チームの底上げ」や「判断を伴う練習」というテーマでお伝えした、スペインリーグのビジャレアルの育成方法を憶えていますか?
日本人コーチの佐伯夕利子さんが育成のトップで活躍されているこのクラブでは、子どもたちにゲームを楽しんでもらいながら、サッカーの成り立ちを理解(認知)させます。
考えながら動くことは難しいので、その状況ではどんな選択肢があるかをわかってもらうために「一回止まって考えてみようよ」と呼びかけます。
6歳でも、試合を止めて、一緒に考えてみます。一見すると、とても大変そうですが、少しずつやっていくと子どもとさまざまなコミュニケーションがとれるようになります。そんな時間をとれば少しずつ変わってきます。ビジャレアルは、これを3歳児からやっているのですから、日本の6歳児も十分できるはずです。
私もこれを実践しています。
大阪で「サッカープレーパーク」という無料のスクールを実施していますが、集まるとまずゲームです。様子を見ながら、プレーを止めて対話する時間をつくります。
答えは言いません。
「どうして、ここにいったの?」
「なぜこうなったのかな?」
周りを見ていなかった。パスするのを忘れた......ハッキリだったり、ぼそぼそだったり、いろんな声が聴こえてきます。子どもたちの意見は一切否定せず、私の意見も言います。
「そうか。オッケー。
コーチはね、こうするといいかなって思ったよ。そんなことも考えながらプレーしてごらん」
詰問するような言い方ではなく、あくまでリラックスした状態で、伝わりやすい言葉を選んで話します。
6歳くらいだと、ボール保持者にぶつかっていく子どももいます。
「みんな、知ってる?ソーシャルディスタンス。あるよね?コロナに感染しないようにしてるよね。サッカーもそういうふうにしよう。サッカーの試合、思い出してみて!自分からぶつかっていく人はいないよね」
子どもたちはゲラゲラ笑います。全員ではないにしろ、少しイメージできます。
ディフェンスが間にいてパスができないとき、どうする?
「ドリブルで少し移動してからパスを出す」
そんな答えが出てきます。
そうやって、子どもが自分で気づいて、自分で学んで理解していくと、パスが早く出始めたり、自分でひとりでドリブルでいってしまうことが減ったりします。