小学生で「サッカーに向いていない」「プロになれない」の判断は早すぎ! ゴールデンエイジに伸びるために経験した方がいいこと/U-19影山監督インタビュー後編
中学生からサッカーを始めてプロになった選手たちもいるので、技術が身に付けられない訳ではないのです。
ゴールデンエイジは神経も発達する時期なので、より多くボールに触れた方が技術を身に付きやすいのは間違いありません。ただ、技術の向上は努力次第で何歳からでもできます。自分も引退してからの方が上手くなっているぐらいですから。
なので、小学校3、4年生でサッカーに向いているか、プロになれる可能性があるかなど、将来を判断するのは早いと思います。子どもたちは大きな可能性を秘めています。
小学生の時にトレセンに入っていなくても、高校で伸びた事例は多くありました。中学まで違うスポーツをやっていたけど高校から始めて、素晴らしい才能を持った選手もいます」
様々な場所でサッカーに携わってきた影山監督。
自身も小学校5年生の息子を持つ親として、子どもとの向き合い方を考えてきました。
その中で重要なのは、大人たちがコミュニケーションを取る環境や様々な角度でスポーツに触れられる場を設け、子どもたちの才能をより磨くことだと言います。
心身を鍛えれば、サッカーだけではなく、1人の人間として大きく羽ばたくきっかけにもなります。子どもたちの可能性をより広げるためにも、大人たちのアプローチが重要なのかもしれません。
影山雅永(かげやま・まさなが)
福島県の磐城高校を経て筑波大学に入学。同期の井原正巳氏(現・柏レイソルヘッドコーチ)、中山雅史選手(アスルクラロ沼津)らとプレーし、卒業後は古河電工(現・ジェフユナイテッド市原・千葉)に入団。Jリーグでも活躍し、1995年は浦和レッズ、翌年はブランメル仙台(現・ベガルタ仙台)に籍を置いた。引退後は筑波大学の大学院で学び、1998年にはワールドカップに初出場した日本代表で対戦国のスカウティングを担当。
その後はケルン体育大学などで学び、2001年からはサンフレッチェ広島でコーチを務めた。以降はアジア各国でA代表や育成年代の監督を歴任。2009年からはファジアーノ岡山のヘッドコーチに就任し、翌年からは監督として指揮を執った。2017年からはU-18日本代表監督(U-20ワールドカップを目指すチーム)となり、昨年5月のFIFA U-20ワールドカップ・ポーランド大会ではチームを2大会連続となるベスト16入りに貢献。現在はU-19日本代表監督として、来年開催予定のFIFA U-20ワールドカップ・インドネシア大会を目指している。
(取材・文・写真:松尾祐希、JFA)