育成で大事なのはサッカーを「教える」「鍛える」のではなく、子どもが「サッカーを表現」できるようにすること
サッカーを表現するとはこういうことかと。
ボール扱いが上手い子は、日本にもたくさんいます。でも、意思を持ってプレーできる子は多くないんです。
それは、南米や欧州の子どもたちの試合を目の当たりにして感じたことです。
■子どもたちを制御し過ぎず、表現させること
日本という治安の良い国が成り立っているのは、他人に迷惑をかけないように、教育されてきたからに他なりません。みんな一緒にルールを守る為に厳しく教育されます。それは素晴らしいことであると同時に、個人の表現が犠牲になっているとも思います。
逆に南米は、傾向として一人ひとりの意思が尊重される教育です。
自分を表現する力はすごいけれど、その分ルールを守る力が弱かったりします。総じて治安が悪いのもその教育、国民性ならではだと思います。
バランスが取れれば、日本もすごいポテンシャルがあると思います。
日本の教育は、子どもに表現させるというよりも、制御しようとします。子どもの意思を育むことよりも、言われたことを正確に実行する能力を育む傾向があります。
しかし、サッカーは自分を表現することが大切なスポーツです。自ら意思を持って、判断し、プレーするものなのです。
大切なのは制御することよりも、表現させること。
自分がどうしたいか、どんなプレーをしたいのか、その意思を育むのがコーチの役目です。大人は、もう少し子どもたちの感情を表現させてあげることができれば良いのかなと思います。ピッチでも、もう少し感情を出すことを許容して良いとも思います。
サッカーを教える、鍛えるという発想ではなく、まずは、サッカーを好きにさせること。そして、上手くなりたいという気持ちを育むこと。表現する力を育むこと。表現力を磨くことが大切だと思います。
■サッカーは生きる力を育む
好奇心を大切にし、自分の意思でプレーするのがサッカーです。
人生も同じです。自分はなにをやりたいのか、どう生きるのかを決めるのは自分しかいません。サッカーは生きる力を育みます。サッカーの本質を伝えることで、生きる力を育むことができます。
しかし、教え込もう、鍛え上げようと、考え方を誤ってしまうと、子どもにサッカーの本質は伝わりません。日本という素晴らしい国が成り立っている前提を踏まえて、子どもたちがもう少し表現できるように、私たちは見守っていかなければなりません。
子どもたちが持つポテンシャルを解放できるように、引き出せるようにアプローチしていきましょう。