2021年8月6日 13:31
「可変式」は難しすぎる? 海外の戦術トレンドを小学生に紹介してもいいか教えて
ユーロ2020を見ていたら、守備の「可変式」という言葉が何度も聞かれた。選手交代せずにDFラインを変更するのはサッカーの理解力、対応力も必要で、一過性のトレンドではなく今後の選手に必要なことかと思うけど、小学生に紹介するのは早い?
幅と深さの使い方の理解がまだできてないU-12年代には難しすぎ?最近の子は海外サッカーもよく見ているから教えてもいいもの?とご相談をいただきました。
今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、今優先すべき指導についてアドバイスを送ります。
(取材・文島沢優子)
池上正さんの指導を動画で見る>>
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
<<でこぼこピッチだとぐらついて転びやすい子どもたちのボディコントロールを強化する練習はある?
<お父さんコーチからのご質問>
池上さんこんにちは。
街クラブで指導している保護者コーチです。サッカー経験があることを知っているコーチに誘われ、子どもの入団とともに指導にもかかわるようになりました。(教えているのはわが子の年代ではありませんが)
今回相談したいのは、海外のトレンドを小学生年代にも教えた方が良いのか。
という事です。
先日開催されたEURO2020を見ていたところ、解説の方が「可変式」と口にするのを何度も聞きました。メンバーを変えずにバックラインを4枚→3枚にするシステムを取り入れているイタリアなどに対して使われていたことが多かったと思います。
戦術のトレンドは時代によって変わりますが、可変式のシステムはサッカーの理解が深くないとできないし、試合の中で柔軟に対応できることは大事だと思うのです。個人的にはトレンドというか、一つの戦術として定番化していく流れでもおかしくないのかな、と。
私が教えている小6は8人制から11人制への移行年代で、この年代の課題として幅と深さが上手く使えないとほかのチームの指導者からも聞くので、可変式の導入は現実的でないと思っています。
ただ、最近の子どもたちは海外サッカーも見ているので、上の年代のサッカーではこんなシステムもあると話すのはアリなのかなと思ってご相談した次第です。海外サッカーから日本が学べることは多いかと思いますが、DFラインの可変式の話題は小学生年代には高度すぎるでしょうか。