「夢中になれれば、最強」 乾貴士選手が語る、サッカーが上手くなるために一番大事なこと
身長169cmという小柄な体格を苦にしない卓越したテクニックと的確な判断を活かしたプレーで、ドイツ・スペインで10シーズンに渡ってプレーしてきたのが、日本代表MFの乾貴士選手です。
9月に古巣・セレッソ大阪に復帰してからも華麗なプレーを披露し、多くのサポーターを魅了する乾選手ですが、幼少期から身体は小さく、プロになってからもフィジカルでは劣る選手がほとんど。
そうした中で活躍できる理由を、お聞きしました。前編となる今回は幼少期についてです。
(取材・文:森田将義)
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■とにかくボールに触らないと上手くなれない
――まずは幼少期の乾選手について教えてください
小学校1年生でサッカーを始めた当初は、他のスポーツもやっていましたが、サッカー中心の生活を送っていました。
でも、小学4年生くらいになると厳しい指導に音を上げて、サッカーへの熱が冷めていったんです。年上のチームでプレーさせてもらいながらも、練習をサボることも多かったですし、休むことが増えていった。一人でボールを蹴ることもなくなっていきました。
高学年の頃は、みんなで野球をしていた記憶の方が多いですね。
今となっては、サボってしまった時期を後悔しています。一番技術が身につく小学生から、中学1、2年生の頃にどれだけサボらないかが大事。それくらいの年齢は、ゲームなど色んな誘惑があります。
サッカーが上手く行かず、違うスポーツに進む子ども出てくるでしょう。そこでどれだけ頑張れるかが、大事だと思います。僕は中学3年生から、もう一度自主練を真面目にし始めたので、ちょっと遅かったな、と今となって感じていることです。
――なぜ、再びサッカーを頑張ろうと思えたのでしょうか?
野洲高校の練習に行かせてもらった際に、一歳上の先輩たちの練習に混ぜてもらったのですが、岩谷さん(岩谷篤人さんセゾンフットボールクラブ代表、2003年から10年間野洲高校のコーチを務めた)から「一人だけ子どもだぞ」と言われたんです。
この前まで一緒にやっていた先輩たちとプレーし、まったく自分のプレーが良くなかったので、焦りと悔しさを感じました。このままじゃまずいな、もう一回ちゃんとサッカーを頑張ろうって思ったんです。とにかくボールに触らないと上手くなれないというのを、その時にやっと感じました。チームの練習だけじゃ、上手くなれないんだって。