チャレンジしたくてもできない状況があった。障がいのある子どもたちを主体にチャレンジフットサルに取り組むバルドラール浦安デフィオ
■「健常者と戦う所に価値を求めている」正直な気持ちが受け入れられた
松田:現在、デフィオは健常者とともに千葉県リーグの3部に所属しています。参加するための過程はかなり大変だったのでは?
泉:そうですね。自分は前例を調べ、どこで断られたとか、どこでうまくいかなかった理由を聞いていたので、申請が通らない可能性があると思っていました。ですが、エントリーをして代表者会議があった時に、「実は僕たちは耳が聞こえないメンバーが大半で、コミュニケーションの部分で工夫が必要なチームです。健常者と一緒に戦うところに価値を求めているのでお願いします」という気持ちを話させてもらったところ、拍手をもらったんです。
自分としては「なにそのチーム?」って思われると考えていたのですが、後から考えれば、バルドラール浦安の中にチームを作らせてもらったことも大きかったと感じます。皆さんが全く知らないチームではないので、スムーズにエントリーできたのかもしれません。
■聞こえないことでの工夫を、「こうすればできるんだ」というチャレンジとして見せたい
松田:実際に健常者の人たちと同じリーグを戦ってみての難しさはありましたか?
泉:リーグに加盟した当初、ホイッスルが聞こえづらいのに一緒にできるの?という疑問を持たれていたんです。他のチームの方などはあまり言葉にされていませんが、実際にはあったと思うんです。
でも、デフのメンバーはプレーを見て判断できますし、聞こえていなくても周りがサポートをしてきました。聞こえていなければ、ベンチから身振り手振りでサインを送ったり、手話も使って伝えたんです。
一見大変に見えるところをデフィオなりに工夫してきました。やっぱり、健常者と同じステージで戦うことに価値がある。一般の人にこうすればできるんだとか、こんなチャレンジがあるんだと思ってもらいたいんです。
僕自身も最初はこのチャレンジを躊躇していましたが、自分たちを見て新しいことを始めるきっかけにしてくれたら嬉しいですね。
なので、リーグ戦を戦う上で色んな壁に当たりましたが、常にポジティブに考えて難しいことも工夫して乗り越えようという想いで取り組んでいます。
■試合で笛を吹く際は、サポートできる体制をとっている
松田:例えば、リーグ戦ではチームから第1審判以外のレフリーを出す必要があります。そこはどのようにされていたんですか?
泉:デフィオのメンバーも審判の資格を取りに行きました。