子育て情報『Bチームで苦しむ中学生の息子にどんな言葉をかければいいのか問題』

Bチームで苦しむ中学生の息子にどんな言葉をかければいいのか問題

もしそうであればがっかりさせてしまうかもしれません。結論から申し上げると、見守りに徹することです。

■友達との揉め事を見てたのに何も言わなかった父のエピソード

高校女子サッカーの強豪・京都精華学園高校で監督を務めていらっしゃる越智健一郎先生のお父様とのお話を紹介します。お父様はすでにになり指導の一線からは退かれましたが、男子の高校サッカーで強豪チームを育て上げた方です。つまり、親子二代教員であり、男女の違いはありますが全国大会上位へ駒を進めるチームの監督というわけです。

越智先生がサッカー少年だった頃。近くの空き地で、毎日のように友達と延々と一対一に明け暮れていました。サッカーが楽しくて夢中になっていました。
しかし、子どもなのでちょっとしたいざこざや、いさかいがあります。ある日、ちょっとしたことで揉めてしまい、友達が被っていたニット帽をむんずとつかんで、地面に叩きつけてしまいます。

バシッと投げつけた瞬間、越智少年が見たのは、金網の向こうに自転車にまたがったお父様の姿でした。一部始終を見届けていたのは明らかです。それなのに、何も言わずじっと見つめていました。動揺して先生が目をそらすと、次に見やった時はもうお父様はもうそこにいませんでした。

ニット帽を投げつけたところを見られ家に帰りづらくなったけれど、あまり遅くなれば逆に叱られる。観念して帰宅したそうです。


「ただいま」

家に戻った息子の顔を見ても、お父様は何も言いません。家族の食卓が始まり何事もなかったように一日が終わりました。

(お父さん、絶対、金網の向こうで見てたよな)

でも、結局翌日になっても何も言われませんでした。

■保護者は子どもが自発的に動いていくための介助者的役割

越智少年は、何も言わないお父様の態度があったからこそ、自分の行いを振り返ります。こうして、善悪や人としてどうあるべきかを学ぶのです。そして、そのときのことをこう振り返ります。

「教師は怒ること、教えることが仕事じゃない。子どもが自分で感じて、理解して、成長していくために、自発的に動いていくための介助者的役割なのかなって、何十年も経って思い知らされます」
A先生は教師の矜持としてこの出来事をとらえていますが、これは教師のみならず保護者にも通じるもの。
子どもが主体的に自分の課題や問題に立ち向かえるよう、介助する。それこそが親の役割なのだと思います。

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