Bチームで苦しむ中学生の息子にどんな言葉をかければいいのか問題
コーチや子どもに寄り添う大人のマインドセット(心構えみたいなもの)は、昭和の時代まではスパルタ的に強く引っ張っていく、リードしてくようなイメージでした。先日亡くなった石原慎太郎氏が1969年代に『スパルタ教育』という本を著しているほどです。この本を家の本棚から見つけ、ああ、父親がすごく叩き始めたのはこの本の影響なんだと理解した記憶があります。
■中学時代、親に「こうすべきだ」と言われ素直にありがとうと思えたか
ご相談者のお父さんも、もしかしたら親御さんからそのような教育を受けてきたのではないでしょうか。しかし、時代は大きく変わりました。現在は「サーバントリーダーシップ」といって、大人は子ども(生徒や選手)にサーバント(使用人)のように彼らが「こうしたいんだけど、どうかな?」と言ってきたときに大きな力になる。それが目の前の子を大きく成長させるカギだと言われています。
皆さん「何を言えばいいですか?」「どうふるまえば?」と言葉を知りたがります。
でも、それぞれご自身の中学時代を振り返ってください。親や教師から、ああしろ、こうすべきだ、おまえはここを直せと言われましたよね。その時に、そうだね、そうします。大人の皆さん、本当にありがとう!なんて思ったことがありますか?少なくとも私はありません。
ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、自分の言葉で子どもが変わるなんて思わないほうがいいでしょう。たかだか数十年長く生きてきたからといって、私たち大人にそんな力はありません。しかも、私たちが子どもだったころとは全く違う世の中を彼らは生きているのです。
■本来なら小学生年代でも親は出ない方がいい
(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
お父さんは「中学生にもなって親が出てくるなんて過保護」と書かれていますが、本来なら小学生から親は出ないほうがいいと私は思っています。
また、息子さんは一生懸命自分の境遇と向き合っているようです。あっぱれではないですか。したがって、お父さんはまず、彼の努力を認め褒めましょう。
「おまえ、Bにいてもこんなに努力してすごいね」
「お父さんならとっくにあきらめてるよ。続けてるだけですごい」
そんなふうに、へーっと感心していればいい。「やったことは無駄にならないよ」などと間違っても言わないでください。彼の苦しみは、彼しかわかりません。