「月謝を払っているんだから上手くして」かけたお金=上達ではないのにサッカーでもコスパを求める保護者にどう説明したらいい?
この手法は今世界で注目されています。その時その時の状況を認知させることで、自己解決策を見つけさせていく方法です。
そういったことがスムーズに行えるようにするには、まずは自分の指導に問題ないのかを考えてみることが肝要です。
■能力や動機付けがバラバラの子が一緒にやる重要性を保護者に説明しよう
「運動体験をさせたくて」と親が連れてきた子。
近隣のチームに所属しつつサッカーの技術を高めたい子。
チーム練習がない日の放課後を過ごす場所にしている子。
サッカースクールなので、いろいろなレベルがあるのは当然のことです。書いていらっしゃる通りです。
だからこそ、練習も当然いろんなことをやらなくてはいけません。
そのことを理解したうえで、以下の三つのことに目を向けてみましょう。
ひとつめ。
能力や動機付けがバラバラの子が一緒にやる重要性を、親御さんたちに説明しましょう。能力がバラバラだけど仕方なく一緒にやってます、という感覚ではなく、バラバラのほうが子どもたちはひとり一人が上手になるということをまずは相談者自身が理解してください。そのうえで、そのことを保護者に伝えます。その際はきちんと理論武装し、どうすれば保護者を納得させられるかをよく考えて臨みましょう。
それでも親たちが「お金を払ってるんだからもっと上手くして」と言ってくるのであれば、子どもたちをレベル分けして練習させるのか、もう一度練習の方針を説明するのか考えてみましょう。
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■いつも全体で動かす必要はない。習熟度に合わせた練習もできる
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
ふたつめ。
ご相談者様が受け持っている12名という人数は、とてもいい規模感です。全体で練習を動かしながらも、子どもたちの「個別性」を追求できる人数と言えます。例えば、みんなでキック練習をしていれば、うまく蹴られない子には手厚く指導してあげられます。12名のなかには必ずできている子、もしくは早くマスターしてしまう子がいますから、その子のプレーを可視化し真似することでほかの子も上達します。
メニューによっては「君はこういうことやってみよう」「君たちはあっちでこれをやってみよう」と習熟度別にやることもできます。
ひとりのコーチでも、12名全員に声をかけることができます。いつも全体で動かす必要はありません。