「やる前から諦めずに戦おうと思えるようになった」たった数日のキャンプで子どものチャレンジ精神が養われる理由
■遠方からの参加で寝不足のまま初日を迎えたことも
ちなみに、親御さんは遠距離移動に懸念はなかったのでしょうか。質問したところ、地元開催だった初回を経験していたことで、参加する意義は十分あると考え、2回目の参加も場所に関わらず許諾したそうです。
中学入学直前となるこの春、3回目の参加時、リョウスケくんは姉と一緒に夜行バスで会場に向かいました。今年3月に東北地方で起こった地震の影響で東北新幹線が運転見合わせになっていたためです。初の夜行バスということもあり、ほとんど眠れず寝不足のまま初日を迎え、体調を崩してしまうというエピソードも。
初日はコーチにより昼寝を促され、すぐに回復したそうですが、「それもよい経験」とコーチは言い、リョウスケくんもうなずきます。せっかくキャンプに来たからとにかく参加させるのではなく、1日練習できなくても大丈夫、と休ませる。そんなコーチの考え方も、大切な子どもを数日託す親御さんには安心できる点ではないでしょうか。
親元を離れて初めて宿泊のある合宿に参加する子どもが多いこともあり、子どもたちのさまざまなトラブルへの対応にもコーチたちは慣れています。サカイクサッカーキャンプはどんな失敗をしてもそれを「良い経験」に変えてくれる場でもあります。
自分で考えて行動する力がつくサカイクサッカーキャンプとは>>
■ライフスキルを身につけたことで好影響が続出
3回の参加により、リョウスケくんは「ライフスキル」も習得し、帰宅後の生活やサッカーなどのさまざまな場面でその効果を実感しているようです。
例えばライフスキルの1つである「コミュニケーション」では、具体的で相手に伝わりやすい声がけを意識するようになり、チームメイトとの意思疎通がスムーズに。「前よりも自分がやりたいと思うサッカーができるようになった」と話します。
また、最高学年として参加したサカイクサッカーキャンプでは下級生のお世話をしたり、「お兄さん」として頼られました。積極的にコーチの手伝いをすることで「リーダーシップ」の本質である「相手の立場になって行動すること」の大切さを身をもって体験。帰宅後も意識し続けているそう。
ライフスキルはもちろん1回のキャンプ参加でも十分な学びや気づきを得られますが、リョウスケくんは繰り返し学び実践することで、より自分らしくそのスキルを落とし込めたようです。