暑さ指数=WBGT が31度以上になったらサッカー中止! 子どもたちの安全を守るため知っておきたい練習中止の判断基準
WBGT計測機は5千円程度で購入可能なので、コーチは各自持っておくと良さそうです。ほかにも、アスリート向け気象ウェブサービス「MiCATA」を使うと、グラウンドが登録できて、そこのWBGT値がわかるようになっています。
「責任ある立場の指導者として、練習を中止するための基準を知っておくことは、非常に大切です。機器やWebサービスなどのテクノロジーを活用すると、判断材料になると思います」
サカイクの最新イベントや
お得な情報をLINEで配信中!
■日本サッカー協会の熱中症ガイドラインの内容
安松先生は「昼間の暑い時間の活動は避けて、WBGTが31度以上のときは中止にすることが大前提です」と話し、次のように続けます。
「それ以下のWBGTが30度~28度、『厳重警戒』のときは、指導者が十分に気をつけながら、練習時間を普段より短縮し、10分~20分おきに休憩をとり、水分と塩分を補給しましょう。『JFA熱中症対策ガイドライン(PDF)』の内容を、練習にも当てはめてほしいと思います」
JFA熱中症対策
① ベンチを含む十分なスペースにテント等を設置し、日射を遮る。
② ベンチ内でスポーツドリンクが飲める環境を整える。
③ 各会場に WBGT 計を備える。
④ 審判員や運営スタッフ用、緊急対応用に、氷・スポーツドリンク・経口補水液を十分に準備する。
⑤ 観戦者のために、飲料を購入できる環境(売店や自販機)を整える。
⑥ 熱中症対応が可能な救急病院を準備する。特に夜間は宿直医による対応の可否を確認する。
⑦ [Cooling Break]または飲水タイムの準備をする。
JFA熱中症対策ガイドラインより
上記は試合開催時のガイドラインですが、練習にも当てはめたいところです。
安松先生は「公式戦では飲水タイムを設けていても、練習試合やトレーニング中はおろそかになるケースがあるので、積極的に水分摂取の時間を設けましょう」と呼びかけます。
■15分ごとに水分補給をするとスプリントの回数が落ちないというデータも
また、安松先生は「暑熱環境下における運動中の体温の調節機能とパフォーマンスの関係」の研究もしており、「高い気温のもとでは、プレーの質が低下する」ことが明らかになっているそうです。
「気温が高いところと低いところを比較すると、暑いときはダッシュの距離が短くなり、ジョギングが多くなります。