仲間に意見する息子が悪者に。子ども同士のいさかいを何とかしたい問題
何も言うなと言うのは違う気もします。チームのためになると思うことを子ども同士で話すことは、ダメなことなのでしょうか。
よく分からなくなってしまいました。
<島沢さんからの回答>
ご相談いただき、ありがとうございます。
9歳ということは、3年生か4年生ですね。この年代になると、急に親や教師、コーチの言うことを聞かなくなります。児童心理学でいうところの「ギャングエイジ」です。
自我が芽生えてきて、自己主張や衝動性が強く出るなどして、対応する大人からすれば大変ではありますが、子どもの成長発達の観点からみれば非常に重要な時期でもあります。
■子ども同士のぶつかり合いは、こころの成長に必要なこと
「いい子」でいさせようと押さえつけてはいけませんが、小学1~2年生の低学年時代では難しかった自制心や他者を思いやる気持ちを少しずつ育む必要があります。そのためには、時に仲間と言い合いをしたり、けんかすることも必要なことです。
それなのに昨今は、大人たちが子ども同士がぶつかることを良しとしません。すぐに大人が仲介に入り、予定調和的に仲直りさせることが多いようです。
子どものこころの成長に不可欠な「いさかい」を前もって大人が止めます。理由は「いじめに発展したら困る」とか「何かトラブルになったら困る」と一見すると子どものためのように映りますが、単に大人が子どもの成長を待てないだけ。
結果的に、子どもが成長する機会を大人が奪っているのです。
そこで、お母さんにアドバイスを五つ送らせてください。
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■親が解決する問題ではないと認識すること
ひとつめ。
まずは「これは親である私が解決する問題ではない」と認識しなくてはいけません。いさかいはサッカーコートの中で起きているのだから、これはコーチと子どもたちの問題です。「息子だけが悪者にされるのでは?」と心配したり、「チームのためになると思うことを子ども同士で話しちゃだめなの?」とお母さんがいきり立つ必要はありません。
コーチと子どもたちが解決する問題なのですから、放っておけばいいのです。息子さんに意見され泣いた子どものそばに寄って行って「腹が立つね、言い返しなさい」と煽る親に対して、お母さんは不快に感じたはずです。
子どものケンカに口を出しても、良いことは何一つありません。