仲間に意見する息子が悪者に。子ども同士のいさかいを何とかしたい問題
そこを理解できるのならば、万が一泣いた子の親に何か言われたとしても「子ども同士のことですし、サッカーの時間はコーチと子どものものなので私は口をはさむのは遠慮します」と言えばいいことです。
とにかく泰然自若としていれば良いのです。何度も起きるようならコーチも手当するはずです。それをしないのなら、しない理由があるかもしれません。とにかく任せることです。
■この問題に関与するのをやめること
二つめ。
息子さんにこのことを根掘り葉掘り聞くなどして、この問題に関与するのはやめましょう。
ご相談文から、お母さんのほうからやや積極的にかかわっているように見受けられます。
冒頭にある「最初は夫の希望で半ば無理矢理始めたサッカーだが、チーム外のスクールにも通い本人も自主練をこつこつと頑張りここ1年で目に見えて技術面が成長」と非常に熱っぽく書かれているのがとても気になります。まだ9歳です。子どものサッカーに入れ込み過ぎてはいませんか?
まだ9歳ですから、仲間に誤解を与えたりやいさかいを招くこともあるでしょう。しかしながら、そこから得る学びや成長は大きいはずです。
言い方とかタイミングなど細かいコミュニケーションスキルはこれから磨かれます。なにしろシュートを打たなければゴールが生まれないように、コミュニケート(意思を伝達)しなければスキルは向上しません。
ただ、上述したように接近しすぎるきらいがあります。彼を伸ばしたいなら、両親ともにもう少し距離を置きましょう。
■我が子の話に耳を傾けよう
三つめ。
親御さんがやったほうがいいことは、彼が仲間とのコミュニケーションで悩んで何か言ってきたら話を聴いてあげることです。ただただ、傾聴する。決して「ああすればいい」「こうすればいい」と指示命令しないほうがいい。お母さんに話すことで、問題が整理されたり、客観的に考えられたりすることもあります。
その際、例えば「何で泣くのか分からない」と言った主旨のことを再び言ったり、その話が出てきたら、「分からない、で終わらずに、もう一度考えたらどうかな?」と問いかけましょう。そこで、「その子は自分が責められたような気がしたんじゃないかなあ?君はどう思う?」などとお母さんの意見を言ってもよいでしょう。
ここで息子さんが学ぶべきは「他者の気持ちを汲む力」です。
それを汲めたとしたら、「じゃあ、次は『君を責めているんじゃない。