人数はいるけどGKやりたい子がいない、上手く褒めて1人を固定にするか複数人で回すかどちらが良いか教えて
ボールをキャッチしたら、次はどこに投げたほうがいいとか、どう処理するか。攻撃するときはどこに渡したらいいのか。もしくは、状況によって自分はどこにポジションをとればいいのか。そのようなことに目を向けてほしいのです。
以前から、日本はキーパーの育成が他国より遅れていると指摘されています。その要因のひとつが指導そのものが遅れていると言えます。
また、キーパー練習と言ってキーパーとフィールドの選手の練習を分けるチームがありますが、小学生のうちは一緒の練習をしてもらいましょう。
現代サッカーは、みなさんW杯を観てお気づきかと思いますが、キーパーにも足元の技術がなくてはいけません。
相手がいくらプレッシャーをかけてきても、フィールドの選手たちはそういう中で正確なパスが出せる。精度の高いキックができることが重要です。
であれば、キーパーにその能力があれば、実はビルドアップするときに非常に有利だということです。
■オシムさんが変えた「GKの理想像」
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
私がジェフで育成に携わっていたころ、オシムさんが監督に就任されました。当時からオシムさんは、キーパーもフィールドプレーヤーのような足元の技術とサッカーの認知が必要だと説いていました。当時のゴールキーパーやコーチたちは、キーパーの理想像みたいなものを一変させられたそうです。
オシムさんが来てから、キーパーたちのウォーミングアップが変化しました。
それまでキャッチングからスタートしていたのに、キックから始めるようになったのです。それをJリーグのいくつかのチームも真似をし始めました。ドイツ代表のノイヤーが誕生していない20年前のことです。
小学生は全員がさまざまなポジションを経験する。足元のスキルを磨く。そのようなことを考慮して指導をしてください。
池上正さんの指導を動画で見る>>
池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。
2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。