楽しみながら身体の動かし方を身に付ける、日本サッカー協会のボール・ゴール贈呈事業がもたらす効果
と述べます。
「たから幼稚園には1人1個ボールがあるので、まずはゆっくり歩きながら『先生にボールをぶつけてみよう』『先生にぶつからないように逃げよう』『止まっている子には行かないけど、動いてる子には近づくよ』などと言うと、子どもは自然と止まることを覚えたりします。そういう繰り返しが、サッカーにつながっていけばいいなと思っています」
■JFA寄贈のボール、ゴールは子どもたちに大好評
たから幼稚園には大小様々なゴールがありますが、その中でも「特別なゴールに見えるからか、寄贈されたゴールの人気は絶大」と稲垣さんは言います。
「『ゴールはたくさんあるから、どこのゴールにシュートしてもいいよ』と言うと、子どもたちはこのゴールを一目散に目指します。そこで私が、あえてゴールの前でシュートの邪魔をすると、なかなかシュートが入らないわけです」
さらに、こう続けます。
「他のゴールには邪魔をする人がいないので、そちらを見つけて方向を変えれば、シュートも入ります。そのときに、周りを観ることや空いている場所を探すこと、ドリブルで方向を変えることなどを学んでいくのかなと思います」
馬場園長は「JFAさんからいただいたボールには、ポケモンのキャラクターが描いてあって、カラフルなので、子どもたちの食いつきが違います。子どもたちの意欲を喚起してくれるボールだと思います」と笑顔を見せます。
■ゴールにシュートを入れた感覚がある
ゴールについては「大きさがちょうどいいですよね。ネットにポケモンのキャラクターが入っていて綺麗ですし、シュートを打って、ゴールに入れた感覚がしっかりあるのもいいと思います」と述べます。
長年、巡回指導に携わる稲垣さんも「大きいゴールの場合、パワーのある子が力いっぱい蹴ると、入ってしまいがちです。でもミニゴールはサイズが絶妙なので、コースを狙って蹴るようになります」と話してくれました。
「ゴールが大きいと、10m離れていても、シュートを打てば入るかもしれません。でも寄贈されたゴールは小さいので、『確実にシュートを決めるために、あと5m進もう』といったアドバイスもできます。それがドリブルなどサッカーにもつながるので、その上でゴールを決めた喜びを体感してほしいと思っています」
簡易的なゴールだと、シュートを打ったとしても、ボールがゴールネットに吸い込まれる感覚が乏しかったり、強いシュートを打つと動いたり、強風に煽られて倒れてしまうこともあります。