技術を高めるだけなら地元で十分だが、親が遠出してでも「どうしても行かせたかった」キャンプの「体験しないとわからない」魅力とは
そこに何の障壁もないように見えますが、キャンプに向かう車中、コウスケくんは不安な表情を見せていたそうです。
「最初に参加したときは私も不安で、コウスケも当日まではすごく楽しみにしていたんですけど、いざ向かう途中の車内ですごく暗くなって......。この子、大丈夫かなと思いました。半泣きというかずっとソワソワしてて」
小学1年生で、初めて親元を離れる経験をしたコウスケくん。2泊3日の短期とはいえ不安もあったようです。
「コウスケには『大好きなサッカーができるから楽しんでおいで。なんかあったら、コーチが助けてくれるよ』と言って送り出しました」
お母さんは、Jグリーン堺のグラウンドでトレーニングをするコウスケくんの様子を見守っていたそうです。
「いざ参加してみたら、すごく楽しそうでした。
小学1年生なので、心配なことの方が多かったのですが、集中してサッカーをしてて、一生懸命コーチの話を聞いているのを遠目で見ながら、なんかいいなと思いました」
自分で考えて行動する力がつく
サカイクサッカーキャンプとは>>
■普段はサッカーのことを聞いても「知らん」だったのに、キャンプ後の車中では堰を切ったように......
3日間のキャンプが終わり、お母さんの顔を見たコウスケくん。車に乗り込むと、涙を流し始めたそうです。
「寂しかったのか、ボロボロ泣き始めました。私が『寂しかったの?』と聞いたら『寂しかったけど、めっちゃ楽しかった』と言いながら、嬉しいのか寂しいのかわからない涙を、帰りの車中でずっと流していました」
普段のサッカー活動では、「どんなことがあった?」と聞いても、「知らん」「わからん」といった答えが多かったコウスケくん。しかしサカイクキャンプの帰り道では、2泊3日で体験してくれたことを、たくさん話してくれたそうです。
「キャンプであったことを思い出しながら話してくれて、こんなに喋れるんだと思ったぐらい、いろいろなことを教えてくれました。それだけで、行かせた甲斐があったなって。十分だなと思えました」
サカイクキャンプを終えて、車で徳島県の自宅についたときには「サカイクキャンプのコーチに会えないのが寂しい」「キャンプで出会った友達に会えないのが寂しい」と話していたコウスケくん。
寂しさを紛らわそうと、キャンプで配布された、サカイクのサッカーノートを常に持ち歩いていたそうで、お母さんは「すごく良い思い出になったみたいです」